日差しが強いマレーシアで、
休日にしたいことって?

一日の過ごし方
日差しが強いマレーシアで、休日にしたいことって?

それぞれの国・地域にお住まいの皆さんは、日本とは異なる環境の中で、どのように日々を過ごしているのでしょうか? 仕事や余暇の楽しみ、コミュニティーなど、きっとその国・地域ならではの特徴があるはずですよね。それでは、皆さんのタイムスケジュールを皮切りに、「一日の過ごし方」について、早速語ってもらいましょう!

平日の昼間、仕事で忙しいのは、世界中どこも同じ

まずは、今回の「大人未来ラボ」シーズン4でレポートを届けてくださっている皆さんに、平日のおおまかなタイムスケジュールを聞いてみました。

「朝、息子を学校に送り出して、午前~午後は仕事をします。午後、息子が帰ってきたら、軽食を食べさせてから習いごとに連れていき、その間に買い物を済ませ、帰宅後夕食をつくり、家族で食べます」(オーストリア)

「6時に起床。7~11時ごろまで、デスクワークをします。11~13時半までの間は、自炊で昼食をとり、ランチ休憩。その後、カフェへ移動します。14~17時は、カフェで仕事。帰宅したら、夕食をつくり、家族団らん。夏から秋にかけては、森に行ったり、屋外のグリルスペースでご飯を食べたりすることもあります。時々、1時間ほど、ジョギングをすることも。23時に就寝。出張の日でなければ、大体、こんな感じで過ごしています」(フィンランド)

「8~9時に起床。シャワーを浴びて、9時過ぎから仕事開始。取材や撮影がなければ、そのまま家で作業をします。14時ごろに、自炊またはデリバリーでランチをとります。19時に、仕事はいったん終了。20時から、自炊または外食のディナー。その後は、Netflixなどを観て、24時過ぎに就寝します。仕事の状況によっては、深夜まで作業することもしばしばです」(アメリカ)

「毎日、違うので、ある日のスケジュールということで。8時に起床し、温かい飲み物をいただきながら、ゆっくりと目を覚まします。8時30分から、メールチェック、身支度などを済ませます。10時に、メイクアップレッスンの講義をするための教室へ移動。11時から、レッスンをスタート。15時30分に、レッスンが終了。17時から打ち合わせをして、終了次第、帰宅します。19時に夕食。20時からは、娘の宿題の付き添い、団らんなどで、家族との時間を過ごします。22時以降は、入浴など。23時30分ごろ、就寝します」(中国)

「病院に勤務しており、仕事の都合に応じて、朝から出かけます。病院での主な仕事は、セールス業務と日本人患者さんのアテンドです。フリーランスの扱いなので、朝から夕方まで決められた時間を拘束されるのではなく、自分でスケジュールを調整することができます。患者さんの受診は予約制のため、その予定に合わせて、出勤します。朝は、大体、8時から仕事。仕事が終わるのは、夕方の16時もしくは17時です。休日も、必要があれば、病院に出勤します。また、病院の仕事がないときは、フィットネスクラブでインストラクターをしています。その場合には、夕方から夜20時ぐらいまでフィットネスクラブで過ごし、その後、帰宅します」(インドネシア)

「朝は6時半ごろ起きて、マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ、ハニーデューなど、旬の果物で朝食をとります。7時半ごろに家を出て、自分でクルマを運転し、会社へ。19時ごろに退勤。途中でヨガスタジオか岩盤浴に立ち寄り、軽く汗を流してから、21時ごろに帰宅します。その後は、家で簡単なものを調理するか、外で買ってきたもので夕飯を済ませます」(マレーシア)

世界のどこでも、仕事に就いている皆さんは、やはり平日は忙しく過ごしていますね!

日曜日はショッピングに出かけられない
オーストリア

働いている時間が長い平日よりも、さまざまな活動に自由に取り組める休日のほうが、それぞれの国・地域の特徴が表れそうです。皆さん、休日は、どんなことをして過ごしているのでしょう?

「土曜日は、翌週分の食料品・日用品の買い出しに、マルクト(市場)やスーパーマーケットなどに家族で出かけます。カトリックの信者が多いオーストリアでは、安息日にあたる日曜日には、飲食店、美術館、映画館などを除き、お店は開いていません。そのため、ショッピングに行くという選択肢はなく、必然的に家族や友人との交流が深まります。

私自身は、家族で森の中をサイクリングまたは散歩したり、友人とお互いの家を訪れ合ったり、美術館、博物館、映画などに出かけたりすることが多いです。移住当初は日曜日になるたびに手持ち無沙汰で退屈に感じられましたが、家族ができた今では、ゆったりと過ごせる曜日として気に入っています」(オーストリア)

「今は冬が到来して寒い&暗いうえに、新型コロナウイルスの影響もあるので、あまり外出できず、自宅で読書やテレビを観るなどして過ごすことが多いです。あとは、家のサウナに入るのはもちろん、ときにはもっと広いスペースがある公衆サウナ(街中にある有料の入浴施設)に出かけ、ゆったり温まって、リラックスすることも。もう少し穏やかな季節なら、天気がよければ、森にベリー摘みやきのこ狩りにでかけたり、湖で泳いだりもします」(フィンランド)

「新しいお店や行きつけのお店で、ブランチやディナーを楽しみます。そのほかには、ファーマーズマーケット(近隣の生産者が消費者に直接販売するスタイルの市場)で季節の食材を購入したり、公園などの屋外でくつろいで過ごしたり。美術館に足を運ぶこともあります。新型コロナウイルスの流行以前には、ホームパーティーやイベントにもひんぱんに参加していましたが……」(アメリカ)

「娘とイベントなどに出かける、自宅でゆっくりと映画を観る、1人でスーパーに足を運んでショッピングをする……、そんなふうに過ごすことが多いです」(中国)

「ゆっくり寝て、疲れをとることを優先しています。心身ともになかなかハードな毎日を送っているので、丸一日休みの日はなるべくのんびりと過ごすように心がけています。また、休日には、料理をすることも少なくありません。子どもが2人いることもあり、まとめてたくさん料理し、冷蔵庫につくり置くのが習慣です。料理をすることが、自分自身のストレスの発散にもなっています。新型コロナウイルスの影響で、家で過ごす時間が増えたため、最近はパンづくりにも挑戦しました。あとは、犬と遊ぶのも好きです。ただ、少し前に、かわいがっていた犬が亡くなり、喪失感が大きく……、新しい犬を迎えるかどうかを思案中です」(インドネシア)

「クルマで20分ほどの距離にあるショッピングモール内のマッサージ、エステ、ネイルサロンなどのお店で、体のメンテナンスをします。南国で日差しが強いため、特に顔のシミ、シワのケアは欠かせず、フェイシャルエステに関してはエステ券をパッケージで購入。足ツボや整体などの手軽なマッサージは日本の半額程度、エステやネイルサロンなどのおしゃれスパは3割オフぐらいの価格なので、気軽に利用することができます。

そのほかで、休日に楽しむことが多いのはゴルフです。マレーシアはゴルフが盛んな国で、日本人が監修したゴルフ場もあります。クルマで約40分かけてコースに行き、たっぷり汗を流し、お風呂に入ってさっぱりして帰宅するのが定番です。クルマ通勤で平日はほとんど歩かない私にとっては、いい運動になります。食料品や日用品のまとめ買い、語学などの習いごと、友人とのお茶なども、休日に予定しておきます」(マレーシア)

フィンランド人の交流の場は公衆サウナ!

ほかのお客さんとのおしゃべりを楽しみに訪れる人も

周囲の人々とのかかわりによって、人生はよりいっそう充実したものとなります。もちろん、それは、日々の過ごしやすさにも影響を与えるでしょう。皆さんがお住まいの国・地域のコミュニティーについても、聞いてみました。

「地域コミュニティーに関しては、聞いたことがありません。日本人会があり、みんなで一緒に郊外のホイリゲ(新酒を振舞う酒場)にワイン試飲ツアーに出かけたり、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団やその他のコンサートチケット情報などをシェアしたり、ドイツ語家庭教師の募集をしたり、情報交換と集いの場になっています」(オーストリア)

「フィンランド人はそれほど近所付き合いや他者との交流が活発でない印象ですが、たとえば市民講座のような生涯学習の場が格安で多種多様に提供されており、世代を越えて、同じ興味を持つ人と出会ったり、交流したりすることができます。また、フィンランド人らしいコミュニティーの場としては、公衆サウナが挙げられます。規模や雰囲気が日本の銭湯に近く、ほかのお客さんとのおしゃべりを楽しみに訪れる人も多いです」(フィンランド)

「ニューヨークの街の気風として、地域密着型のカフェやレストラン、バーなど、小規模なビジネスが応援される傾向があり、新型コロナウイルス流行の影響により閉店中の店舗をお客さんがクラウドファンディングでサポートする動きなども見られました。生活が苦しい人に無料で食事を配るお店もあります」(アメリカ)

「日本人コミュニティーがあります。各県、各大学、またはスポーツサークルなどのコミュニティーが何十……ひょっとしたら、何百と存在するかもしれません。そこで、日本人同士、日本語でコミュニケーションを図ることで、いっぱい笑ったり、普段のストレスを忘れたり、共通認識に基づいて情報交換をしたりすることができます」(中国)

「自ら打ち解ける努力をすれば、こちらの人たちは割とオープンマインドで何かと世話を焼いてくれます。少しずつでもかまわないので、地元の言葉を覚えることも、その一助となるはずです。価値観や生活習慣の違いから、インドネシアの人たちを見下すような日本からの移住者をしばしば見かけますが、ほかの国に住まわせてもらっているという認識は常に持っておいたほうがよいでしょう。

バリ島には、サヌールに日本人会があります。子どもの日本語教育をはじめ、バリ島に暮らす日本人のサポート、情報交換などが、そこで行われています。日本語の蔵書を収めた図書館もあり、会員になれば、自由に閲覧が可能です。また、ワークショップや勉強会も開催されています。年に一度開かれる盆踊り大会も、いつも大賑わいです。ウブドには個人で経営するカフェでコミュニティーをつくっている方もいて、そちらでは週に一度のサンデーマーケットが日本人の情報交換の場となっているようです」(インドネシア)

「地域のコミュニティーに関しては、地元のマレーシア人の場合、宗教施設が中心的な役割を果たしていると思います。たとえば、マレー系であればモスク、中国系であれば中国寺院、インド系であればヒンズー寺院などです。宗教ごとにさまざまな祭りがあり、そこで人々が交流しています。また、マレーシアの日本人会は、昔も今も交流が続いています。最近では、SNSを積極的に活用することで、お母さんたちのグループ、起業している人のグループなど、さまざまな日本人のコミュニティーが立ち上げられているようです」(マレーシア)

アウトドアでアクティブに過ごす!世界のシニア層

それぞれの国・地域でシニア層の方々が日々をどのように過ごしているかも、興味をひかれるところです。実際に間近で見ている皆さんに、その様子を報告してもらいましょう。

「散歩に出かけたり、親戚を昼食に招いたり、ウィーン名物のカフェで一人新聞を広げながら、または友人たちと談笑しながら、ウィンナーコーヒーと美味しいケーキを楽しむのが、オーストリアのシニア層の方々の典型的な過ごし方です。散歩をしている場所は、近所の公園から世界遺産のシェーンブルン宮殿やベルヴェデーレ宮殿などの広大な庭園までさまざまで、犬を連れて散歩中・立ち話中の姿をよく見かけます。あとは、フィットネスセンターにも、若者顔負けのパワーで筋トレやピラティスなどに励むシニア層の方々がたくさんいます」(オーストリア)

「フィンランド人は、やはり、世代を問わず、自然の中で過ごすアウトドア派が多いです。森に行けば、散歩をしたりベリー摘みに来たりしている高齢者によく出会います」(フィンランド)

「モダンアート以外の美術館、コンサートホール、またWi-Fiのないコーヒーショップでは、シニア層が多い印象です。公園のベンチで新聞を読んだり、読書をしたりして過ごす人も目にします」(アメリカ)

「女性は50代で退職するので、みんな、元気です。毎日が休日なので、公園でダンスを踊ったり、公園に設置された器具で運動をしたりしています。新型コロナウイルスが流行する前には、経済的に余裕のある人は、月に一度、海外旅行に出かけたりもしていました」(中国)

「バリ島在住の日本人のシニアの方に関して、お話しします。概ねご自宅で過ごしながら、日本食のレストランで食事をするために出かけることを楽しみにしている方も多いようです。新型コロナウイルス流行初期には完全に自宅隔離が行われていましたが、9月以降、日本人が企画したバザーがバリ島内で多く開催されるようになり、高齢の方もバザーに顔を出すようになっています。

バリ島では娯楽・文化施設が日本のように充実していないので、インターネットからダウンロードして電子書籍を読んでいる方も少なくありません。もともと絵を描いたり、音楽をたしなんだりする趣味をお持ちの方は、それらに時間を存分に使って、生活を楽しんでいます」(インドネシア)

「日本人のシニアの方は、ゴルフをして過ごしている方が多い気がします。そのほかでは、コンドミニアムのジムで汗を流していたり、ショッピングモールでゆるりと過ごしていたり、お友だちと買い物や映画に出かけたりと、それぞれ、思い思いに楽しまれているようです」(マレーシア)

永住を望む人も、将来は帰国するつもりの人も

最後は、今、お住まいの国・地域に将来もずっと住み続けたいか、住み続けるつもりなのかをYES・NOでお答えいただきましょう。その理由も教えてもらいました。

将来もずっと住み続けたい?

「YES。転勤などの大きな理由でもない限り、ずっとウィーンで暮らし、最後は夫の家族のお墓のあるウィーン中央墓地に入りたいと思っています。ここは、ベートーベンなどの著名音楽家たちも眠っている、墓地とは思えないほど風情のある場所です。ウィーンはこれまでに何度も「世界一住みやすい都市」の第1位に輝いていますし、福祉も整っているので、個人的にたいへん満足しています」(オーストリア)

「YES。自然がすぐ身近にあって、人も少なく、健全な余暇を過ごすのに向いているからです」(フィンランド)

「NO。経済活動をするうえでは給与の高いニューヨークに住み続けたいですが、高額な医療システム、不動産価格を考えると、この国では死ねないと思ってしまいます」(アメリカ)

「一生ここにいるかといえばNOですが、20数年間住んでも、驚くほどの勢いがあり、キラキラ輝く上海にいまだに魅了されています」(中国)

「YES。すでにインドネシア国籍にも変更し、永住するつもりです。島に流れる時間のゆったりしたところ、気候、食べ物……、どれもが、自分にとっては日本のものよりも好ましく感じられます。最近は便利になり、ローカル(地元)のインターネットショッピングなども発達し、ほとんど何でもバリ島で購入することができるようになりました」(インドネシア)

「どちらともいえません。できれば、1年のうちの半分を日本、半分をマレーシアなど、行ったり来たりするのが理想です。どちらにも住みやすさと住みにくさがあり、それはそのときの自分の環境や考え方によっても変わります。また、日本とマレーシアを比較することで、今まで気づかなかった新しい価値観、新しい考え方に出会うことができるのも楽しいです。そうした意識の循環を今後も続けていきたいです」(マレーシア)

やはり、皆さん、お住まいの国・地域の魅力を十分に感じながら、暮らしているようです。最後まで住み続けるかどうかはともかく、自分にとって好ましい場所、愛着のある土地で過ごせば、心が満たされやすく、人生もよりいっそう充実しますよね。まだしばらくは旅行や移住には難しい時期が続きそうですが、将来の計画を立てる際には、現地の皆さんの声もぜひ参考にしてみてください。

※ 本記事は各国または地域に在住のガイドおよび在住者個人の見解であり、掲載される情報の内容を保証するものではありません。
掲載される情報は、ガイドおよび在住者の居住する国や地域の中でも居住地や関係する自治体等によって異なる場合があります。

※ 掲載される情報は2020年12月時点のものです。

<取材協力>
オーストリア(ウィーン)ライジンガー真樹、フィンランド(ユヴァスキュラ)こばやしあやな、アメリカ(ニューヨーク)小松優美、中国(上海)ヒキタミワ、インドネシア(バリ島)プトゥ ヒロミ、マレーシア(クアラルンプール)古川音

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