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相続税・贈与税の改正、遺産分割対策、相続税の計算、各種特例、相続税軽減対策、相続税納税資金対策について基本的な知識を解りやすく解説しています。

3事前に知っておきたい遺産分割対策

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事前に知っておきたい遺産分割対策

民法では、相続人および相続分が定められています。民法に規定されたそれぞれの相続人の取り分を「法定相続分」といいます。

必ず法定相続分で遺産分割をしなければならないとされているわけではありませんが、相続人同士の話し合いで合意できない場合に、一定の目安となります。

誰もが関係するかもしれない相続」のケースにあるような、法定相続分どおりに相続させることを希望せず、自分の思いどおりに財産をのこしたい場合、つまり誰にどの財産をのこすかを事前に決めたい場合は、以下の対策を検討してみましょう。

対策1
遺言書

~遺言書の作成によって、遺言者の意思どおりに財産の分割を決めることができます~

遺言書を作成することよって、「誰にどんな財産をのこしたいか」という思いを形にすることができます。遺言には、一般的に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つの方法があります。

●遺留分について

遺言書を作成する際には、遺留分に気をつけましょう。

遺留分とは、民法で保証された、相続人が相続できる財産の最低保証割合のことです。

被相続人(亡くなった方)が遺言書をのこしても、遺留分を超える財産の分割は認められないこともあります。遺留分がある相続人は「配偶者」、「子ども(代襲者を含む)」、「父母」に限定されています。

したがって、「兄弟姉妹(代襲者を含む)」には、遺留分がありません。

遺留分の割合

遺留分の割合

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[遺留分イメージ]

遺留分イメージ

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対策2
代償分割

~相続人の1人または数人が相続財産を現物で取得し、その現物で取得した人が他の相続人に対して自己の財産から代償金を負担するものです~

遺言書により、長男に単独で土地・家屋を相続させることができ、土地・家屋の分割を回避できたとしても、相続人である他の兄弟姉妹間に不公平が生じることもあります。

そのときは、不公平と感じる兄弟姉妹に現金等で代償金(代償交付金)を用意するのも、円満な分割対策のひとつです。

生命保険に加入して、その生命保険金を代償交付金の原資にする方法もあります。

代償分割による解決の例

父親は既に他界していて、母親と長男は同居していました。その母親に相続が発生した場合で見ていきます。

母親の遺言により、自宅(時価3,000万円)には引き続き長男が住むことになりましたが、自宅を相続できない長女と次男に不満が生じてしまいました。

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そこで長男は、代償交付金を活用して長女と次男の不満を解消することにしました。

母親の生前から契約していた「契約者・被保険者:母親、受取人:長男」の生命保険契約により、死亡保険金2,000万円を長男が受け取り、その保険金を代償交付金として、長女と次男に渡したのです。

相続が発生してから相続税の申告・納付までの期限は10ヵ月以内です。この短い期間に、多くの手続きを行うことが必要となります。

相続税の申告が不要な方でも、必要な手続きがありますので一度確認しておきましょう。

[相続手続きの流れ]

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(注)遺産の名義変更手続きは相続税の申告・納付後に行うこともできますが、無用のトラブルを避けるためにも、なるべく速やかに行いましょう。

相続が発生したら、遺産分割についての協議を開始する必要があります。まずは遺産分割の手続きを把握していただき、また、遺言書の有無によって手続きが変わってくることをおさえておきましょう。

遺言書がある場合

被相続人が遺言書で定める方法に従って、財産を分割します。

ただし、相続人全員の合意があれば、相続人間の協議により財産の分割方法を変更することができます。

遺言書がない場合

~協議による分割~

相続人全員の協議によって、財産の分割方法を決めます。

~協議により分割がまとまらない、または協議ができない場合~

家庭裁判所に遺産分割手続きを申し立てることになります。

実際に遺産分割協議を始めるにあたり、相続人を確定し、どのような財産があり、その財産の価格はいくらなのか等、確認していきましょう。

1.相続人の確定:遺産分割協議対象者を確認しましょう

遺産分割協議は、相続人全員が参加しなければなりません。

2.相続財産の確定:どのような財産が対象か確認しましょう

自宅、現金・預貯金、収益不動産、有価証券、車・宝石、絵画等相続財産にどのようなものがあるか、確認しましょう。また借金等の債務の有無もこの時点で確認しておくことが重要です。

相続税は、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた正味の財産に課税されます。

3.財産評価:相続財産の評価はいくらなのか

財産の評価は、相続開始時の時価(実勢価格)が原則です。評価が難しいものとしては、自宅・収益不動産等があり、不動産物件の価格には、注意が必要です。専門家による評価が必要となるケースがありますが、概算を把握するために、以下の内容をおさえておきましょう。

土地の評価

・路線図:
国税庁が毎年公表する相続税・贈与税の基礎となる価格を表示したもの
一般的には、路線価は公示地価の約8割の価格となっています。

家屋の評価

・固定資産税評価額:
市町村自治体が公表する固定資産税を算出する基礎となる評価額のこと

相続財産の把握ができたら、分割内容について相続人全員の合意を得ることが必要です。

分割の合意に際しては、相続人全員が一堂に会せずとも、相続人の代表者が分割案を持ち回って承諾を得る方法や、各相続人毎に作成する証書に署名・押印を得る方法にて合意とすることも可能です。

相続人全員の合意を得た後、遺産分割協議書を作成することになります。

遺産分割協議書は、不動産登記や銀行口座の名義変更に必要となります。

相続人が受け取った財産について、相続税を算出することになりますが、次頁からは、どれくらいの財産を相続すると相続税の申告・納付が必要となるか確認していきましょう。

本コンテンツの内容について

当コンテンツに掲載されている情報は、一般的な相続・贈与に関する情報です。記載以外の軽減措置や特例、適用要件等がある場合もあります。また、2016年1月末日現在の情報を元に記載していますので、今後の確定する法令等において内容が変更となる場合もあります。個別の事案につきましては、所轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。