不動産の知識・税金の知識

知っておきたい
税金の基礎知識

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不動産の購入・売却時にかかる税金のポイントを、わかりやすくまとめました。

7.不動産取引に関する消費税

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不動産取引と消費税

(1)不動産を購入したときの消費税

 消費税法上、土地等の譲渡は非課税取引、建物の譲渡は課税取引とされています。したがって、建売住宅やマンションを購入する場合には、購入価額は土地代と建物代とに分けられ、建物価額に対してのみ消費税等が課税されます。
 不動産購入に伴う諸費用等に関する消費税等の取扱いについてまとめると下表のようになります。


不動産購入時の諸費用に関する消費税

(2)土地を貸すとき、借りるときの消費税

 土地もしくは土地の上に存する権利の貸付けについては通常非課税取引とされていますが、次のようなケースでは消費税等の課税の対象となります。

  • 貸付期間が1ヵ月に満たない一時的な貸付け
  • 施設の利用に伴う貸付け
    ・設備(フェンス・コンクリート敷き)のある駐車場の使用料
    ・建物、テニスコートなどの施設の利用に伴う貸付け

(3)住宅を貸すとき、借りるときの消費税

 賃貸住宅の家賃については、原則として非課税となっています。ただし、住宅の家賃でも1ヵ月未満の貸付けの場合や、別荘の家賃については課税の対象になります。
 なお、家賃には礼金、更新料、敷金および保証金等で返還しない部分や住宅部分にかかる共益費等も含まれます。事務所、店舗等の貸付けによる賃料については、課税の対象になります。

(4)住宅を売却したときの消費税

 事業者でない個人が住宅を売却しても消費税等は課税されません。
 また、売主が消費税等の課税事業者の場合でも、自宅として使用していた住宅の売却の場合は、事業として行うものではないので消費税等は課されませんが、本来の事業の用に供されていた事務所、店舗、賃貸住宅等を売却した場合には課税されるケースもあります。
 なお、中古住宅の売買について仲介業者に仲介を依頼したような場合には、仲介手数料に対して消費税等が課税されます。

コラム
高額特定資産(居住用賃貸建物)を購入した事業者

 一定の課税事業者が平成28年4月1日以後に高額特定資産(居住用賃貸建物)を購入して消費税の還付を受ける場合、購入した年から3年間は免税事業者には戻れない、あるいは、簡易課税制度へ変更ができません。しかしながら、令和2年度税制改正により、令和2年10月1日以降に購入した高額特定資産(居住用賃貸建物)について、その課税仕入れについては、仕入税額控除が適用できなくなりました。
 ただし居住用賃貸建物のうち住宅の貸付の用に供しないことが明らかな部分は、引き続き仕入れ税額控除の対象となります。