不動産の知識・税金の知識

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税金の基礎知識

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不動産の購入・売却時にかかる税金のポイントを、わかりやすくまとめました。

5.財産を相続したときにかかる税金(相続税)

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相続税とは

(4)課税財産
①相続財産

 相続財産は、被相続人の有していた土地・建物・不動産上の権利・有価証券・預金等のほか著作権等の無形財産も含まれます。地上権、借地権等も相続財産になります。なお、借家権は通常評価しないこととなっています。

  • イ.
  • 保険金等
     被相続人が保険料を負担した保険契約につき、被相続人の死亡によって相続人その他の者が支払いを受ける保険金は相続財産とみなされます。
     ただし、相続人が取得した生命保険金のうち、500万円×法定相続人の数までは非課税財産となります。
  • ロ.
  • 被相続人の死亡退職金
     被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金が相続人等に支給されたときは、その退職手当金は相続財産とみなされます。
     ただし、相続人が取得した死亡退職金のうち、500万円×法定相続人の数までは非課税財産となります。
  • ハ.
  • 被相続人の死亡によって、被相続人が掛金等の負担者であり、かつ、受取人となっていた定期金(年金等)の受取人の地位を承継したときは、その受給権は相続財産とみなされます。
②非課税財産

 相続税が非課税とされている財産は次のとおりです。

  • イ.
  • 墓所等
  • ロ.
  • 心身障害者共済制度に基づく給付金受給権
  • ハ.
  • 相続人が取得した死亡保険金、死亡退職金のうち、法定相続人1人あたり500万円までの部分

(5)課税価格

 相続税の課税価格は、財産の取得者ごとにそれぞれが取得した課税財産の価額の合計額から、承継した債務の金額および葬式費用の額を控除した金額です。

①債務控除

 相続人が被相続人の債務を承継して負担するとき、または被相続人の葬式に要した費用を負担するときは、それらの債務等を相続等により取得した財産の価額から控除して相続税の課税価格を計算することとしています。
 控除する債務には次のものがあります。

  • イ.
  • 被相続人の債務で相続開始の際、現に存在するもの(公租公課を含みます)
  • ロ.
  • 被相続人に係る葬式費用(いわゆる香典返しに要した費用はこれに含まれません)
②遺産未分割の場合の課税価格

 相続税の申告書の提出時までに遺産が未分割である場合には、民法の法定相続分に従って遺産を取得したものとして相続税の課税価格を計算します。

③相続開始前3年以内の贈与財産等

 相続・遺贈または死因贈与によって財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合、および相続時精算課税制度の適用を受けて財産の贈与を受けている場合には、その贈与財産の価額は、その者の相続財産に加算することとされます。
 なお、この場合の贈与財産について贈与税が課税されている場合には、相続税の税額の計算上その贈与税額を控除することになります。また、贈与税の配偶者控除の適用を受けたもの(居住用財産)のうち、その控除額に相当する部分については、加算しないこととされています。
※ 令和6年1月1日以後に行う贈与により取得する財産に係る相続税については、相続開始前7年以内((2)※1参照)。

(6)遺産に係る基礎控除額の計算

 相続税の総額を計算する際に控除される遺産に係る基礎控除は、
 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
とされています。以下の場合、遺産に係る基礎控除額は次のようになります。

①法定相続人が、妻および長男の2人の場合

 3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円

② ①について、長男が被相続人の相続開始前に死亡しており、その長男に子供が2人いた場合

 この場合の遺産に係る基礎控除額の計算上の法定相続人は、妻と長男の相続権を引き継いだ(代襲相続人といいます)孫Aおよび孫Bの3人となります。
したがって、遺産に係る基礎控除額は次のようになります。
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

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