不動産の知識・税金の知識

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不動産売買の基礎知識

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これから不動産を売却または購入をされる方のための不動産売買に関するさまざまな情報を掲載しています。

8.登記─最後のツメは悔いのないように

 例えば住宅の場合、そこに住んでいる人が常にその住宅の所有者であるとは限りません。別に所有者がいて、その住宅は賃貸されており、そこに住んでいる人は借家人の場合もあるでしょう。また、空地の場合は、外見ではその所有者が誰だか判断がつきません。
 そこで不動産の取引を安全かつ円滑に行うために、不動産の客観的な状態および権利の変動について登記記録を作成して、一般に公示する制度をとっています。これを不動産登記制度といい、不動産取引を行う場合も、最終的にその不動産が自分の名前で登記されて、はじめてその取引が無事終了したといえます。代金を全額支払っても、権利が無事移転され登記が完了しないと、その不動産を完全に手に入れたとはいい切れません。

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知っておきたい登記

 登記にはどのような種類があり、登記簿はどのように構成されているのでしょうか。また、実際に登記記録を入手するにはどのような手続きをとれば良いのでしょうか。
 登記のしくみはどのようになっているか、その概要について説明します。

1.登記簿の構成

 登記簿とは登記記録が記録されている帳簿のことをいいます。登記記録は表題部と権利部(甲区、乙区)とで構成されています。現在、登記所はコンピューター化されているため、登記記録は磁気ディスクをもって整えられ保管されています。それ以外のコンピューター化前の登記簿については、土地、建物の別でバインダー式のファイルなどで保管されています。

登記事項証明書記載例 登記事項証明書記載例

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 表題部とは、登記記録のうち表示に関する登記が記録される部分をいいます。土地の表示に関しては、所在、地番、地目、地積等が登記記録として記録されています。建物の表示に関しては、所在、家屋番号、種類、構造、床面積等が記録されています。

 権利部とは、登記記録のうち権利に関する登記が記録される部分をいいます。権利部は甲区と乙区とに分かれ、甲区には所有権に関する事項が記録されます。所有権の保存、移転およびこれらの仮登記ならびに差押等の所有権に関する処分の制限等の事項が甲区に記録されます。乙区には、所有権以外の権利に関する事項が記録されます。


2.登記記録の公開方法

 コンピューター化された登記記録は、直接画面で見るなどして内容を確認することはできません。このため、書面による交付を依頼することになりますが、この書面にはいくつかの種類があります。これを間違えると欲しい情報が入手できなかったりするので注意が必要です。

(1)登記事項要約書

 登記事項要約書は、バインダー式登記簿の閲覧に相当するものです。登記事項要約書には、後で説明する登記事項証明書と比べて、一部の情報しか記載されていません。例えば、所有権については取得の原因は記載されませんし、所有権仮登記などもすべての情報は記載されません。また、抵当権等についても登記の原因や利息、損害金の定め、債権の範囲などは記載されません。このため、登記事項要約書は簡易な情報の収集に適しているといえます。

(2)登記事項証明書

 登記事項証明書は、バインダー式登記簿の謄本・抄本に代わるものとして位置づけられています。登記事項証明書は、大きく全部事項証明書と現在事項証明書とに分けられます。現在事項証明書は、現在有効な事項しか表示されません。このため履歴を含めた情報を確認したい場合は全部事項証明書を請求するようにしましょう。

3.登記の種類

 不動産に関する登記のなかで、重要な登記として次のものがあげられます。

①表題登記(建物)

 建物の新築により、新たに不動産が誕生した場合にその建物の概要(所在、家屋番号、種類、構造、床面積等)を登記記録に記録する登記です。表題登記は登記記録の表題部に記録されます。

②合筆登記、分筆登記(土地)

 登記記録では、土地は筆(ふで)をひとつの単位としています。一筆(いっぴつ、ひとふでなどと読みます)とは、一定の線で区切られた土地の最小単位です。外観上の土地の区画とは必ずしも一致はしません。合筆登記とは、隣接した2筆以上の土地を1筆に合わせる登記をいいます。分筆登記とは、合筆とは逆に1筆の土地に新たに線を入れて2筆以上の土地に分ける登記をいいます。

③所有権保存登記(建物)

 所有権とは、その目的となる不動産を支配する権利で、都市計画法等の規制の範囲内でその土地を自由に使用し、また処分することもできます。所有権保存登記とは、これまで所有権が設定されていない不動産(新築建物など)に初めて所有権の登記を行う場合に行われる登記です。所有権保存登記は登記記録の権利部(甲区)に記録されます。

④所有権移転登記(土地・建物)

 所有権の登記がされている土地・建物について、売買や相続などで新たにその所有権を取得した場合に行われる登記が所有権移転登記です。所有権移転登記は登記記録の権利部(甲区)に記録されます。

⑤共有登記(土地・建物)

 1個の不動産を複数の人で所有することも認められます。この権利形態を共有といい、1個の不動産の所有権を複数の名義で登記することを共有登記といいます。共有登記の場合、それぞれの人の有する所有権の割合は、持分で登記記録に表示されます。

⑥抵当権設定登記(土地・建物)

 抵当権とは、資金の借入れの担保として不動産を差し入れた場合に、その不動産に対して行う登記で、借入者が返済等の約束を守らなかった場合、抵当権の設定してある不動産から優先して返済を受けることができる権利です。抵当権設定登記は、登記記録の権利部(乙区)に記録されます。

⑦仮登記(土地・建物)

 これまでに述べてきた登記はすべて本登記と呼ばれる登記で、条件がまだ整っていないために本登記をすることができない場合にする登記が仮登記です。仮登記は本登記ができるまでの間、仮の登記をすることによって順位を確保しておく登記です。

4.登記事項証明書等の交付請求

 登記事項要約書や登記事項証明書は、登記所で交付を受けることができます。この場合、土地であれば地番を、建物であれば家屋番号を申請書に記載します。

 土地の地番が分からない場合は、登記所に備えられている公図から調べることになります。住居表示と公図との対照表により公図の番号を特定し、その公図を閲覧しその土地の位置から地番を調べます。

 家屋番号は原則として敷地の地番に従って付されているため、その地番上の建物で特定することもできますが、一筆に複数の建物が存在する場合などは、その地番上のすべての建物を調査する必要があります。また、建物がすでに取り壊されているのに登記上の手続き(滅失登記)をしていないために、登記上の記録だけが残っている場合もありますのでその点も注意が必要です。

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本コンテンツの内容について

平成29年6月1日現在の法令に基づいて作成されています。本コンテンツは不動産の売買を検討されている方々の参考となる法令等の概略を説明するものであり、本コンテンツを利用してなされた個々の取引について弊社は何ら責任を負うものではありません。