不動産の知識・税金の知識

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不動産売買の基礎知識

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これから不動産を売却または購入をされる方のための不動産売買に関するさまざまな情報を掲載しています。

7.契約─手抜かりなくサインするコツ

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売買契約の締結

 売買契約の締結にあたり、その相手が代理人や相続人など、本人でない場合もあります。その場合、本人と契約するのとどのような点が異なるのか等について説明します。

1.売買契約書

 売買契約の締結にあたっては、契約の内容等を記載した売買契約書を作成し、売主・買主がお互いその内容を確認し合意のもとで署名(記名)捺印するのが一般的です。法的には、書面を作成しなくても売主・買主お互いの合意で売買を成立させることは可能ですが、思い違いや後日のトラブルを防ぐためにも書面を作成しておくことが必要でしょう。

 宅地建物取引業者が自ら売主となる場合や、仲介を行う場合には、契約関係者に宅地建物取引業法に定められた事項を記載した契約書等の書面を交付することが義務付けられています。その書面に携わった宅地建物取引業者が名前を記載するとともに、宅地建物取引士が記名押印することになっています。

2.契約にあたってのそのほかの注意
①代理人との契約

 権限が与えられた代理人と取引した場合、その効果は直接本人に及びます。したがって、代理人と契約する場合は、その代理人に代理権が確実に与えられているか、その行為が代理権の範囲を超えていないかを確認することが必要です。この確認は、本人からの委任状により、代理権の付与および代理権の範囲を確認します。本人の委任状には、事実を確実にするため、実印の押印と印鑑証明書の添付を求めます。さらに、直接本人に委任の事実を照会した方が良いでしょう。

②相続物件を売る場合

 相続が発生した場合は、相続人全員で遺産の分割に関する協議を行い、遺産の分割について協議が成立すると、遺産分割協議書を作成します。相続物件の場合は、遺産分割協議が成立して自己の所有となった不動産を売却するのが一般的ですが、協議が成立する前の状態であっても、相続人全員を売主として売却することも可能です。

③未成年者との取引

 未成年者と売買を行う場合は、親権者である父母双方が同意するか、父母が代理して売買を行う必要があります。万一、親権者の同意を得ないで売買を行った場合は、未成年者本人または父母がこれを取り消すことができることになっています。この場合、親権者である父母は未成年者の法定代理人となり、死亡などで父母が共にいないときは後見人が置かれ、後見人が未成年者の法定代理人となります。このように、取引の相手に対しては印鑑証明書や運転免許証等で年齢を確認するとともに、親権者や法定代理人の同意の有無を確認することが必要です。なお、20歳未満であっても婚姻をしていればその者は成人とみなされます。

④成年後見制度

 成年後見制度とは、認知症や知的障害などのために判断能力や意思能力が不十分な状態にある人を支援し、その権利保護を図る制度です。

イ.法定後見制度

 法定後見制度には、後見、保佐、補助の3類型の制度が設けられています。現に判断能力が不十分な状態にある人に対して、一定の申立て権者からの後見、保佐、補助開始の審判の申立てにより、家庭裁判所が成年後見人、保佐人、補助人を選任する制度です。
 成年後見人、保佐人、補助人は、家庭裁判所が申立てを受けて審判を行い、最も適任と思われる者を選任することになっています。また、審判が行われた場合には、裁判所書記官の嘱託によって法定後見の登記がなされます。法定後見の登記には、後見、保佐、補助の種別や、同意権・代理権の範囲などが記録されます。

ロ.任意後見制度

 任意後見は、本人自身が、将来判断能力の衰えた場合に備え、あらかじめ契約(任意後見契約)によって後見人を選任しておくという制度です。本人は自ら選んだ任意後見人に対し、精神上の障害により判断能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護、および財産の管理に関する事務の全部または一部を委託し、委託した事務について代理権を付与します。この任意後見契約は、必ず公正証書によって行わなければなりません。

ハ.成年後見人等が行う不動産取引

 成年後見人、保佐人、補助人が、本人に代わり、本人の居住用不動産について、売却、賃貸、賃貸借の解除または抵当権の設定その他これらに準ずる処分を行う場合には、あらかじめ家庭裁判所の許可を得なければなりません。

⑤売主が登記名義人と異なる場合

 親から相続したが相続による所有権移転の登記をしていなかった、登記後に結婚して苗字が変わった、登記後に引越しして登記記録に記録されている住所と住民票記載の住所とが異なっている、など、登記記録に記録されている売主に関する事項が現況と異なる場合があります。この場合は、異なるに至った経緯を確認し、権利証の提示を求めるなど、相手方が間違いなく正当な所有者であるのか確認したうえで契約を行うことが必要です。

⑥仮登記の効力

 登記は原則として、先になされた登記に優先権があります。例えば、不動産の売買が二重に行われたような場合には、先に登記をしたほうに権利が移転されることになります。
 このため、その時点では要件が整わないために、すぐに本登記することはできない場合に、順位を確保するために行われるのが仮登記です。仮登記を行っておけば、万一第三者に所有権移転登記がなされても、それ以前に仮登記がしてあれば、後日要件が整ったときにその仮登記を本登記にすることにより、その第三者に優先して所有権の取得を主張することができるわけです。

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本コンテンツの内容について

平成29年6月1日現在の法令に基づいて作成されています。本コンテンツは不動産の売買を検討されている方々の参考となる法令等の概略を説明するものであり、本コンテンツを利用してなされた個々の取引について弊社は何ら責任を負うものではありません。