不動産の知識・税金の知識

知っておきたい
不動産売買の基礎知識

知っておきたい税金の基礎知識インデックスへ

これから不動産を売却または購入をされる方のための不動産売買に関するさまざまな情報を掲載しています。

5.法律─こんな法令の定めがあることに注意

3

宅地建物取引業法による規制

 売買や仲介などの不動産取引を業として行う者は、国土交通大臣(2以上の都道府県に事務所を置く場合)または都道府県知事の免許を受けなければなりません。宅地建物取引業法は、免許を受けて不動産取引を行う者に対し、さまざまな規制を定めており、そのひとつひとつが不動産取引を安全かつ円滑に行うために欠かせないものとなっています。

 不動産の取引をする際は、その取引にあたる業者が次のような宅地建物取引業法の規定を的確に守っているか十分に注意することが必要です。

1.宅地建物取引業者票の掲示

 宅地建物取引業は免許を受けた者しか行うことができません。正しく免許を受けていることを顧客に示すために、その事務所および業務を行う場所ごとに、顧客の見やすい場所に「宅地建物取引業者票」を掲示しなければなりません。免許の有効期間は5年で、そのつど更新の手続をとることが求められます。掲示してある宅地建物取引業者票で更新手続がきちんとなされているかも確認しておきましょう。

 免許証番号の前についているカッコ内の数字は、更新を1回行うと(2)に数が増えます。この数が大きいとそれだけ長く業務を行っていることになり、ひとつの判断材料になります。

一般の宅地建物取引業者の業者票(参考例) 一般の宅地建物取引業者の業者票(参考例)

拡大図はこちら



2.誇大広告等の禁止、広告開始時期の制限

 宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければなりません。広告を行う場合も、宅地・建物の所在、規模、形質、現在または将来の利用の制限その他の事項について、著しく事実に相違する表示をし、実際のものより著しく優良または有利であると人を誤認させるような表示をしてはいけません。

 また、造成する宅地や建築する建物を、造成や建築の完了前に販売する(いわゆる「青田売り」)場合は、都市計画法に定める開発許可、建築基準法に定める建築確認など、一定の許可や確認を受けた後でなければ販売等の広告はできないことになっています。

3.重要事項の説明

 宅地建物取引業者は、自らが売主となって不動産を販売する場合や、売買等の仲介を行う場合等には、その取引の当事者に対し契約の成立までの間に、その取引の対象となる不動産に関する重要事項を説明しなければなりません。

 この重要事項の説明は、不動産に関する専門的知識を有する宅地建物取引士が宅地建物取引士証を提示して、書面により行わなければなりません。

 なお、重要事項説明に関する一般的な説明については、国土交通省のガイドラインに基づいて、宅地建物取引業者が、事前に書面で説明することとされていますので、質問点や疑問点があれば納得できるまで照会するようにしましょう。

宅地建物取引士証票(参考例) 宅地建物取引主任者証票(参考例)
<説明すべき重要事項>
  • 1)
  • 登記されている内容に関する事項
  • 2)
  • 都市計画法等の法令に基づく制限の概要
  • 3)
  • 私道負担に関する事項(建物の賃貸借以外の場合)
  • 4)
  • 水道、電気、ガス等の供給、排水施設の整備状況
  • 5)
  • 物件が未完成の場合は完了時における形状、構造等
  • 6)
  • マンション等の場合は敷地に関する権利の種類、内容等
    ※平成30年4月1日施行予定の宅建業法の改正により、既存建物についての建物状況調査の実施の有無、 実施している場合の結果の概要、設計図書・点検記録等の保存の状況についても説明すべき事項として 追加されます。
  • 7)
  • 代金、借賃等以外に授受される金銭の額および目的
  • 8)
  • 契約の解除に関する事項
  • 9)
  • 損害賠償額の予定または違約金に関する事項
  • 10)
  • 手付金等の保全措置の概要
  • 11)
  • 支払金、預り金等の保証、保全措置の有無
  • 12)
  • 代金等に関する金銭のあっせんの内容およびその貸借が成立しないときの措置
  • 13)
  • 割賦販売の場合は、現金販売価格、割賦販売価格、引渡しまでに支払う金銭・支払時期等
  • 14)
  • 宅地造成等規制法による造成宅地防災区域の指定の有無
  • 15)
  • 瑕疵担保責任に関し措置を講ずるか否か。講ずる場合にはその措置の概要
  • 16)
  • その他、石綿使用の調査結果の記録の有無と記録がある場合にはその内容、耐震診断結果の記録の有無等

 また、土壌汚染や廃棄物、地下埋没物の有無についても説明を求めた方が良いでしょう。契約に臨むにあたってはこれらの重要事項の説明を受け、その内容を十分に理解しておくことが大切です。


4.契約締結などの時期の制限

 宅地建物取引業者は、工事完了前の宅地または建物については、都市計画法による開発許可、建築基準法に定める建築確認等を受けた後でなければ、売買契約の締結や売買もしくは交換の仲介をしてはならないことになっています。

5.契約内容を記載した書面の交付

 宅地建物取引業者は、契約の当事者に、当事者の氏名・住所、不動産の内容、売買代金およびその支払時期、引渡時期、登記申請の時期などを記載した書面を交付することが義務付けられています(通常これらの事項は売買契約書の中身として記載、交付されます)。なお、重要事項説明書や、契約内容を記載した書面には、宅地建物取引業者名を明示し、宅地建物取引士が記名押印することになっています。

6.手付金等の保全

 工事完了前の宅地または建物の売買で、宅地建物取引業者自らが売主となる場合は、代金の5%を超える場合または1,000万円を超える額の手付金を受領しようとする場合は、手付金等保全措置を講じることが義務付けられています。
 また、完成物件においては、手付金等の額が代金の10%を超える場合または1,000万円を超える場合も同様です。

7.手付貸与の禁止

 宅地建物取引業者が顧客に手付金を貸したり、立て替えたりして契約を誘引することや、手付金を分割して受領することで契約を誘引する行為は禁止されています。

8.クーリングオフ

 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所等の場所以外で買受けの申込みや売買契約の締結をした買主は、書面により、申込みの撤回または契約の解除をすることができます。この場合、宅地建物取引業者は、損害賠償または違約金の支払いを請求することはできません。

 ただし、次の場合は申込みの撤回等はできません。

  • イ.
  • 買主が当該宅地建物取引業者の事務所等で買受け申込みをし、当該事務所等以外の場所で売買契約を締結した場合
  • ロ.
  • 申込みの撤回等ができる旨およびその申込みの撤回等の方法を書面にて告げられた日から起算して8日を経過したとき
  • ハ.
  • 買主がその自宅または勤務する場所において売買契約に関する説明を受ける旨を申し出た場合
  • 二.
  • 宅地または建物の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払ったとき
9.その他

 上記のほか、宅地建物取引業者が自ら売主となって売買契約を締結する際は、次のような制限を受けます。

①損害賠償額の予定

 契約解除に伴う損害賠償または違約金の額をあらかじめ定める場合は、その合算額が売買代金の10分の2を超えてはならないとされています。

②手付金の額

 手付金の額は、売買代金の10分の2を超えてはならないとされています。

③瑕疵担保責任についての特約

 売買の目的物の瑕疵を担保する責任は、特約を付する場合でも物件引渡しの後最低2年間(または瑕疵の発見後1年間)、宅地建物取引業者が負うことが義務付けられています。

④アフターサービス

 新規物件の販売においては、一定のアフターサービスの義務を負うことが一般的です。

⑤顧客の氏名・住所の確認、取引記録の保存

 宅地建物取引業者が宅地建物の売買契約の締結またはその代理もしくは媒介を行う場合に、犯罪収益移転防止法に基づき顧客(個人・法人)の本人確認等が義務付けられています(賃貸借契約についてはその対象には含まれておりません)。宅地建物取引業者はその取引に当たり、個人については運転免許証等の提示を、法人については法人の登記事項証明書、印鑑証明書等の提示に加え、実際に取引を行っている担当者の本人確認が必要となります。また、本人確認を行った場合には本人確認記録を作成し、7年間保存する必要があります。取引に関する記録についても作成し、7年間保存する必要があります。

⑥その他禁止事項

 重要な事項について、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為等は禁止されています。この「重要な事項」については重要事項説明書の内容のほかに取引の関係者の資力もしくは信用に関する事項等が定められています。

前へ 3 / 3 次へ

本コンテンツの内容について

平成29年6月1日現在の法令に基づいて作成されています。本コンテンツは不動産の売買を検討されている方々の参考となる法令等の概略を説明するものであり、本コンテンツを利用してなされた個々の取引について弊社は何ら責任を負うものではありません。