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5.法律─こんな法令の定めがあることに注意

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建築に関する規制

1.都市計画法、建築基準法

 都市計画法とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進を目的として定められた法律です。また、建築基準法とは、良好な集団的建築環境を確保し、建築物の構造上・防火上・衛生上等の安全性を確保するために最低の基準を定めた法律です。

①市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域

 都市計画法により、都市計画区域である市街化区域、市街化調整区域と、区分区域が定められていない都市計画区域(非線引き区域)に区分されています。市街化区域とは、すでに市街地を形成している区域、おおむね10年以内に優先的、計画的に市街化を図るべき区域をいいます。市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域をいいます。

②用途地域による制限

 都市計画区域内においては、地域別に建築物の建築規制を行い、建築物を合理的に立地させるために、用途地域が定められています。用途地域は大きく、住居系、商業系、工業系に分類され、12種類が定められています(下表参照)。


用途地域制度の内容 用途地域制度の内容

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 前記の12種類のほかに、それぞれの目的に応じて建築物の用途を制限する地区として、例えば東京都では特別工業地区、文教地区などがあります。

 建築基準法では、それぞれの用途ごとに建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、建築物の高さなどの制限を定めています(建ぺい率等の制限については③~⑤をご参照ください)。各用途地域、地区内の建築用途制限を表で表すと次のようになります。


用途地域・地区内の建築用途制限 用途地域・地区内の建築用途制限

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③建ぺい率による制限

 建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合をいいます。敷地の面積が200m²で建ぺい率が60%の土地では、その土地に120m²までの建築面積で建物の建築が認められるということです。建ぺい率の最高限度は、それぞれの用途地域で異なります。また、一定の角地や、防火地域に耐火建築物を建築した場合(⑦参照)には建ぺい率の緩和が受けられます。

建ぺい率一覧表 建ぺい率一覧表

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④容積率による制限
イ.用途地域による規定

 容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ面積(各階の床面積の合計)の割合をいいます。敷地の面積が200m²で、建ぺい率が60%、容積率が200%の土地では、その土地に1階は120m²まで、各階合計で400m²までの面積の建物の建築が認められるということです。容積率の最高限度は、建ぺい率と同様にそれぞれの用途地域により異なります。

容積率一覧表 容積率一覧表

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ロ.前面道路の幅員による規定

 容積率の最高限度はその敷地の前面道路の幅員によっても異なります。前面道路の幅員が12m未満の場合は、前面道路の幅員に次の数を乗じた値以下という制限が加わり、その土地の用途地域の容積の制限とともに、どちらか低い数値が容積率の上限になります。

(計算例)

 第二種低層住居専用地域内で、容積率200%と定められた地区内の土地で、前面道路の幅員が4mである場合は、その土地の容積率は160%となります。


ハ.特定道路に通じる場合の規定

 敷地の前面道路の幅員が6m以上12m未満である場合、その前面道路が敷地から70m以内で幅員15m以上の広い道路(特定道路といいます)に通じている場合、敷地から特定道路までの距離に応じて容積率の割増しが受けられます(ただし、都市計画により定める容積率の範囲内でなければなりません)。


二.容積率の異なる地域にまたがる場合

 敷地が容積率の異なる地域にまたがる場合は、それぞれの地域の容積率に、その地域に属する部分の割合を乗じて容積率を求めます。

 上図のような敷地に建物を建築する場合、容積率は270%となります。


⑤建築物の高さに関する制限
イ.建築物の高さに関する制限

 建築物の高さについても制限があります。具体的には、①道路による高さ制限(道路斜線)、②隣地境界線による高さ制限(隣地斜線)、③北側の敷地境界線による高さ制限(北側斜線)があります。これらによる高さ制限を受ける場合は、その範囲内でなければ建物を建てることはできません。


高さ制限等 高さ制限等

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 ただし、道路高さ制限の適用範囲は、敷地の前面道路の反対側の境界線から一定距離の範囲に限られます。この距離は用途地域と基準容積率(都市計画で指定された容積率と前面道路幅員による容積率のうち、低い方)に応じて、次表のとおり定められています。


 道路高さ制限、隣地高さ制限について、図で表すと次のようになります。


ロ.セットバックによる高さ制限の緩和

 建築位置を、敷地と道路との境界から、敷地内へ後退(セットバックといいます)した場合、その後退距離に相当する距離だけ道路の反対側の境界線が外側にあるものとして、道路高さ制限が適用されます(図1 参照)。
 また、建築物の高さが20mまたは31mを超える部分の位置を隣地境界線から後退させた場合は、その後退距離に相当する距離だけ隣地境界線が外側にあるものとして、隣地高さ制限が適用されます(図2 参照)。

⑥採光の確保(天空率)による緩和

 道路高さ制限、隣地高さ制限、北側高さ制限は、周囲の住宅等に一定の採光・通風等を確保するために設けられている規定ですが、これらの制限によって得られる採光・通風などの環境条件と同程度の条件が得られる場合には、これらの制限は適用されません。
 この環境条件を計る数値を天空率といい、一定以上の天空率が得られる場合は、道路・隣地・北側の各高さ制限は適用が除外されます。

  • As:
  • 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球(想定半球)の水平投影面積
  • Ab:
  • 建築物とその敷地の地盤をAsの想定半球と同一の想定半球に投影した投影面の水平投影面積

⑦防火に関する制限

 市街地の火災による危険を防止し、建物の不燃化を促進するために設けられた制限です。都市計画法で防火地域および準防火地域を定め、建築基準法で建物の構造について次のような制限が設けられています。


⑧道路幅員による建築制限

 交通上、安全上、防火上および衛生上の観点から、建築物を建築するには、その敷地が一定幅員以上の道路に面していることが必要です。道路は、その幅員により次のような制限を受けます。

  • イ.
  • 敷地が道路に2m以上接していないと、その敷地に建物を建築することは原則としてできません。
  • ロ.
  • 敷地が図1のような形状をしており、路地状部分(A)だけで道路に接している場合は、路地状部分の長さ(C)によって道路に接する部分の長さ(B)が定められていることがあります。
  • ハ.
  • 道路とは、幅員が4m(指定区域では6m)以上のものをいいます。現状で前面の道路の幅員が4mない場合でも、現状の道路の中心線から2m(指定区域では3m)後退して、一定の道路幅員を確保することにより、建築物を建築することが認められる場合があります。ただし、この場合、後退した部分は道路とみなされ、そこには建物はもちろん軒、門、塀などの建築も認められません。(図2)
  • ニ.
  • 共同住宅などの特殊建築物、3階以上の建築物、延床面積が1,000m²を超える建物等の敷地については、地方自治体の条例等により、さらに制限が強化されていることがあります。
⑨日影による制限

 マンションやビルなどの中高層建築物が建築されると、周囲の住宅の日照に大きな影響が生じます。このため、周囲の住宅地の日照を確保するため、マンションなどの中高層建築物を建てる場合は、所定の範囲内の土地に対し、冬至日における日影となる部分が一定の時間内に収まるよう制限されています。


日影による中高層の建築物の制限 高さ制限等

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本コンテンツの内容について

平成29年6月1日現在の法令に基づいて作成されています。本コンテンツは不動産の売買を検討されている方々の参考となる法令等の概略を説明するものであり、本コンテンツを利用してなされた個々の取引について弊社は何ら責任を負うものではありません。