不動産の知識・税金の知識

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不動産売買の基礎知識

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これから不動産を売却または購入をされる方のための不動産売買に関するさまざまな情報を掲載しています。

5.法律─こんな法令の定めがあることに注意

 不動産はさまざまな法律上の規制を受けます。購入した土地に希望するような規模やプランの建物が建築できなかったり、思うような利用が認められなかったりする場合や、道路との関係で建物自体が建築できないという場合も起こりえます。
 また、不動産を取り扱う宅地建物取引業者には、買主の募集・契約にあたり法律で義務付けられている行為や、制限、禁止されている行為があります。
 ここでは、不動産に関するさまざまな法律を知っていただくとともに、悪質な業者に引っかからないように募集・契約に関するさまざまな規制について説明します。

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取引する際の規制

1.国土利用計画法

 国土利用計画法は、人口・産業の大都市集中、土地の投機的取引等による地価高騰と乱開発を抑制するため、土地利用の適正化と地価の抑制を目的として定められた法律です。

(1)大規模な土地取引の届出
事前届出・事後届出

 大規模な土地取引を行おうとする場合には、契約の締結前に土地の所在、面積、利用目的などの事項の届出が必要となります(事前届出制)。ただし、規制区域、監視区域および注視区域に指定されていない地域においては、契約締結後2週間以内(契約日を含めて)に市町村長を経由して都道府県知事に届け出れば良いこととなっています(事後届出制)。
※注視区域、監視区域については、都道府県・指定都市の土地対策担当課あるいは、最寄りの市・区役所・町村役場にお尋ねください。現在、監視区域に指定されている市町村は東京都小笠原村のみです。

(2)事後届出の必要な土地取引
原則

 事後届出の必要な土地取引は、一定面積以上の土地について、土地に関する権利の移転、または設定をする契約(土地売買等の契約)を締結した場合です。
※一定面積とは、次のとおりです。
 イ.市街化区域・・・2,000m²以上
 ロ.イを除く都市計画区域・・・5,000m²以上
 ハ.都市計画区域以外の区域・・・10,000m²以上
※土地に関する権利とは、所有権、地上権または賃借権および売買予約完結権等の権利の取得を目的とする権利をいいます。
※土地売買等の契約とは、対価を得て行われる土地に関する権利の移転または設定をする契約をいい、売買契約、売買予約契約、権利金を伴う賃貸借契約、交換契約が該当します。

 届出者は、事前届出では、取引の当事者(売買の場合、売主と買主)ですが、事後届出制における届出者は権利の取得者(売買の場合、買主)のみとなります。

2.公有地の拡大の推進に関する法律

 公有地の拡大の推進に関する法律は、都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するため土地開発公社による公共用地の先買い制度を定め、公有地の拡大の計画的な推進を図ることを目的として定められた法律です。

(1)土地を譲渡しようとする場合の届出義務

 都市計画区域内の土地で一定の面積を有する土地(市街化区域では5,000㎡、その他の都市計画区域では1万㎡以上の土地)や、都市計画施設(道路、公園、水道、学校、病院、保育所等)の区域内に所在する土地等を有償で譲渡しようとする場合は、土地所有者は、当該土地の所在および面積、当該土地の譲渡予定価格、当該土地を譲り渡そうとする相手方等の事項を、都道府県知事または市長に届け出なければなりません。贈与、寄付等の無償譲渡の場合は届出は不要です。届出をしないまま土地を有償で譲り渡すなどした場合、50万円以下の過料に処せられる場合があります。

(2)地方公共団体等に対する土地の買取り希望の申出

 上記の土地について、地方公共団体等による買取りを希望する土地所有者は、その土地が町村の区域内にある場合は、その町村長を経由して都道府県知事に対して、その土地が市の区域内にある場合はその市長に対してその旨を申し出ることができます。

(3)土地買取の協議

 上記のような届出や買取りの申出があった場合、都道府県知事または市長は、買取の希望を有する地方公共団体等があるときは、届出等のあった日から3週間以内に協議に入る旨を土地所有者に通知することになります。他方、買取を希望する地方公共団体等がない場合は、ただちにその旨を土地所有者に通知することになります。法定の期間が経過するまで当該土地を第三者に譲渡することはできません。

(4)土地の買取価格

 地方公共団体等は、買取りの協議において、地価公示法に定められた公示価格(公示区域以外においては、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した相当な価格)を規準として買い取るべきとされます。

届出・先買い制度のしくみ 届出・先買い制度のしくみ

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3.農地法

 農地法は、耕作者の地位の安定と農業生産の増進を図ることを目的として定められた法律です。この法律では、優良な農地を確保するため、農地等の権利移動や農業以外の用途への転用について厳しい規制が加えられています。

 次表のそれぞれに規定する権利移動および転用をする場合は、農地法の規制の対象になり、それぞれ許可または届出が必要になります。なお、ここでいう農地・採草放牧地はその土地の登記上の地目や所有者の主観的な使用目的には関係なく、その事実状態で農地等に該当するか否か判断されます。


4.都市計画法

 都市計画法は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進を目的として定められた法律です。この都市計画法に基づいて都市計画区域の指定がなされると、次は都市計画を決定し、この計画を実行(都市計画事業の施行)するとともに、計画実行の障害となる行為を制限しなければなりません。これが都市計画制限です。

(1)市街地開発事業等予定区域

 市街地開発事業等予定区域とは、市街地開発事業や都市施設の決定前において、できるだけ早い段階で大規模な開発用地を確保するために定められる都市計画をいいます。
 市街地開発事業等予定区域内には次の制限が付されています。

①建築等の制限

 市街地開発事業等予定区域内で土地の形質の変更または建築物の建築等をする場合には、都道府県知事等の許可を受けなければなりません。

②土地建物等の先買い制度

 都市計画の実行を円滑に進めるために、これらの地域内の土地が第三者に取得される前に施行予定者がその土地建物等を買い取る制度です。

③土地の買取請求

 市街地開発事業等予定区域内の土地所有者は施行予定者に対し、その土地を時価で買い取ることを請求することができます。

(2)都市計画施設の区域または市街地開発事業の施行区域

 都市計画施設とは、道路や公園のような都市施設で、それを造ることが都市計画で決定されたものをいいます。市街地開発事業とは、健全な市街地の一体的な開発または整備を図るための都市計画をいいます。都市計画施設の区域内の土地、および市街地開発事業の施行区域内の土地では、建築物の建築をしようとする者は、原則として、都道府県知事等の許可が必要となります。

(3)都市計画事業の事業地内

 都市計画事業の事業地とは、都市計画事業の認可または承認がなされた後のその事業がなされる土地をいいます。事業地内の制限は(2)の都市計画施設の区域内における建築の制限よりも厳しいものとなります。
 この認可、告示後の制限のことを都市計画事業制限といい、建築行為等の制限、土地建物等の先買制度、土地の買取請求制度、土地の収用等の制限や制度があります。

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本コンテンツの内容について

平成29年6月1日現在の法令に基づいて作成されています。本コンテンツは不動産の売買を検討されている方々の参考となる法令等の概略を説明するものであり、本コンテンツを利用してなされた個々の取引について弊社は何ら責任を負うものではありません。