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2015年6月号

不動産市況や業界動向などの旬な情報を記載したコラムです。

中古一戸建て住宅首都圏都県別の流通ランキング(流通戸数・平均価格・平均土地面積)2015年6月

~中古一戸建て住宅はどこに、どの程度の価格で、どれくらいの広さの物件が流通しているのでしょうか?~

1.中古流通戸数ランキング(売事例)

 東京都の中古一戸建て住宅は、1位町田市、2位八王子市という「郊外のベッドタウン」と呼ばれる都市で流通が盛んであることがわかります。町田市や八王子市では現在でも大型の宅地造成や戸建て団地の供給が盛んに行われており、これらの開発物件から、築浅の事例が多く出ています。一方で、3位以降から23区内の行政区が並んでおり、中でも世田谷区(3位)、練馬区(4位)、杉並区(7位)、大田区(8位)と、人気の行政区が上位に食い込んでいるのが特徴です。これらの区にはそもそも一戸建て住宅が多く供給されておりますし、ストックも充実しています。一戸建て住宅に対しても相応のニーズがあると理解すべきでしょう。
 神奈川県は東京都とよく似た結果になっています。郊外の都市・藤沢市が1位、同じく横須賀市が2位となっています。県下の政令指定都市では比較的郊外に位置している相模原市では中央区と南区が4位と5位と上位に入っているのも、一戸建てが住宅供給の中心となっている現在の郊外市場の現状を顕していると言えそうです。マンション建設が進んでいる川崎市では圏外17位の麻生区が最高位。横浜市も青葉区が3位、港南区が9位とわずか2区のみが上位を占めるに留まっています。小田原市(6位)、茅ヶ崎市(7位)、鎌倉市(8位)、大和市(10位)とマンションより戸建て住宅が多く建設されている都市では、やはり中古流通においても一戸建て住宅が中心を成しているようです。
 千葉県の中で千葉市はマンションの新築供給戸数も東京都などと比べると少なく、一戸建て住宅が多く供給されている都市にはマンションも多く供給されているという特徴があります。1位の柏市は2位の松戸市、4位の船橋市、5位の市川市は、いずれも新築マンションがコンスタントに供給され、かつ中古マンションの流通も盛んな人気エリアです。6位の鎌ヶ谷市、9位の市原市にはマンションの新規供給は少なく、戸建てが取引の中心となっている都市です。千葉市の区が一つもランクインしていないのも大きな特徴です。
 埼玉県も千葉県に似た構造となっていて、さいたま市内で上位にランクインしているのは見沼区のみで他の区では一戸建てよりもマンション流通の方が盛んになっているようです。1位の川口市は2位の川越市を大きく引き離しています。川口市は一戸建てだけでなくマンションも数多く流通しており住宅ニーズが非常に高い都市です。位置もさいたま市より東京区部に近接しており利便性も高く埼玉県の中で特にニーズが高い都市と言えるでしょう。ただ、埼玉県では川越市、越谷市、春日部市、坂戸市、久喜市など埼玉県の中でも東京から一定の距離にある都市が上位にあり、そもそも、マンションより戸建て中心の市場を持っている都市が上位を占めているのが特徴です。

2.平均流通価格ランキング

 当然ですが東京都には注文住宅として建設された高額な一戸建ての中古事例が存在し、マンションよりも高額で売りが出ています。東京都のベスト10はそのまま首都圏(1都3県)の上位10位を占めています。神奈川県では川崎市の中古一戸建ての価格が高くなっており、鎌倉市や横浜市の中心部より高額になって上位4位を独占しています。千葉県では浦安市の流通価格が他の都市と比べ約2,200万円も高額となっている点も注目されます。浦安市はもともと戸建てを中心にした都市開発を進めていた経緯があり、駅前の良質な戸建団地が広がっているなど住環境も優れ、更に東京中心部へのアクセスが抜群に良いことから高額に取引されています。埼玉県はさいたま市の中心3区が上位を独占しており、居住ニ-ズの高さから中古一戸建て住宅の流通価格も高額になっていることがわかります。

3.平均土地面積ランキング

 中古一戸建て住宅の敷地面積を都県別の行政区で平均値を算出してランキングにまとめたのが上記の表になります。東京都には墨田区、豊島区、目黒区という建築条例等で敷地面積の最低限度を地域によってきめ細かく定めている行政区では、土地面積が広い事例が多くなる傾向が出ています。また、港区や世田谷区、大田区といった大邸宅などが残っている区では平均土地面積は大きくなる傾向にあります。神奈川県の第1位、古都・鎌倉市も地域によっては最大200平米以上の制限を受けているケースもあるため、ランキングでは2位を大きく引き離し1位となっています。このように都市部の人口密集地では、多くの行政区で一戸建て住宅の敷地面積の狭小化を防ぐために条例等が設けられていて、行政区別の平均土地面積はこれらの条例などの影響を大きく受けているのがわかります。一方千葉市やさいたま市では君津市や秩父市といった郊外の都市で平均土地面積が200平米を越えています。これらは地価が安いエリアであるために他の地域より、広い土地の一戸建て住宅が購入しやすい環境にあるためと思われます。

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