不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報不動産マーケット情報2011年上半期の首都圏中古マンション流通事例で見る築年別の管理費と修繕積立金(2011年7月号)

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2011年7月号

不動産市況や業界動向などの旬な情報を記載したコラムです。

2011年上半期の首都圏中古マンション流通事例で見る築年別の管理費と修繕積立金

首都圏の中古マンションは築25年より古いマンションは管理費・修繕積立金ともに平均12,000円程度の水準に落ち着く

 これを専有面積帯別に切り分けてみてみると、マンションの広さによって築年と管理費と修繕積立金の分布が異なることがわかります。
 首都圏で最も数多く流通する70m² 台の築年別の管理費・修繕積立金は、管理費は築年が古いほど低額となる傾向があるのに対し、修繕積立金は反対に高額となっていく傾向となっています。しかも、首都圏全専有面積の平均グラフ(上記)で見られたような、修繕積立金が12,000円前後の水準で頭打ちになる状況は示されていません。修繕積立金は築38年には15,000円を超える水準にまで達しています。また、築25年あたりで管理費と修繕積立金の額が逆転しているのがわかります。

 一方、高級物件などが多い専有面積100m² 以上では管理費・修繕積立金ともに、築年が古いほど高額になっていく傾向が表れています。管理費も高額化しているのは首都圏のこの専有面積帯だけです。高額な物件ほど管理に高いコストをかけ、マンションの維持管理に注意を払っていることが窺えます。

 管理費と修繕積立金を負担するのはマンションの所有者ですが、これらの額は安い方が良いというわけではありません。コストを低く抑えているマンションもありますが、低いコストで良好な管理やメンテナンスが出来ているのか一抹の不安が残ります。特に、修繕積立金は将来の大規模修繕に備えるためのマンション所有者全員の資金=管理組合の貯蓄ですので、設定額が低いと将来の大規模修繕の時に資金が足りず、「一時金」を徴収される可能性が否定できません。したがって、修繕積立金については月々の設定額が将来の大規模修繕の費用に対して適切と考えられるのかを調べるのと同時に、現時点で管理組合にどの程度貯蓄されているのかを確認することが重要です。中古マンションを購入する際には必ずチェックしたいものです。

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