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被保佐人
読み:ひほさにん
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精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる(民法第11条)。

家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する(民法第876条の2)。

こうした手続きにより保佐人を付けられた者のことを「被保佐人」と呼ぶ。
保佐とは「たすける」という意味である。

この「被保佐人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「準禁治産者」という名称であった。

被保佐人は、財産に関わる重要な法律行為不動産売買や不動産賃貸借など)を自分だけでは有効に行なうことができない。
こうした重要な法律行為を行なうには保佐人の同意が必要であり、もし保佐人の同意を得ないで重要な法律行為を行なった場合には、後でその法律行為を取り消すことが可能である。
ただし重要でない法律行為や、日用品の購入などは有効に自分だけで行なうことができる(民法第13条)。

従って、被保佐人との契約を行なうには、その保佐人の同意を必ず取得するべきである。

本文のリンク用語の解説

保佐人

被保佐人に対して、保佐開始の審判のときに、家庭裁判所が職権で選任する保佐人のことである(民法第876の2条)。 保佐とは「たすける」という意味である。 保佐人は、重要な財産行為などについて同意する権限を持つ(民法12条)。

準禁治産者

心神耗弱者(こうじゃくしゃ)や浪費者などであって、準禁治産の宣告を受けた者のこと(旧民法第11条)。 2000(平成12)年に民法が改正・施行されたため、この準禁治産者の制度は次のように改められた。 1.準禁治産者の制度は、成年後見制度である保佐人へと移行した(被保佐人を参照のこと)。 2.上記1.の際に、単なる浪費者は被保佐人の範囲から除外された。 3.ただし、旧民法第11条により準禁治産者であった者は、改正法施行後も準禁治産者として扱われる。

法律行為

法律関係を変動させようとする意思にもとづく行為のこと。 具体的には、契約、単独行為、合同行為が法律行為である。 なお、意思表示は法律行為の主要な要素であるとされている。

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。 定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。 定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

関連用語

成年被後見人

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる(民法第7条)。 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する(民法第8条)。 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する(民法第843条)。 こうした手続きにより後見人を付けられた者のことを「成年被後見人」と呼ぶ。 また、成年被後見人に付けられる後見人は「成年後見人」と呼ばれる。この「成年被後見人」の制度は、2000(平成12)年の民法改正によって創設されたもので、それ以前は「禁治産者」という名称であった。 成年被後見人は法律行為を有効に行なうことができないものとされているので、どんな法律行為でも原則的に後で取り消すことが可能である(ただし日用品の購入などは有効に自分で行なうことができる)(民法第9条)。 従って、成年被後見人との契約を行なうには、その成年後見人を代理人として契約を行なうべきである(民法第859条)。

被補助人

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる(民法第15条)。 家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任する(民法第876条の7)。 こうした手続きにより補助人を付けられた者のことを「被補助人」と呼ぶ。   この「被補助人」の制度は、精神上の障害の程度が軽微な人について、法律行為を円滑に行なうことができるように、2000(平成12)年の民法改正によって創設された制度である。 被補助人は、精神上の障害の程度が軽微であるので、重要な法律行為であっても基本的には単独で有効に行なうことができるが、家庭裁判所が必要と判断した場合には、特定の重要な法律行為について、補助人の同意が必要とされたり、補助人が法律行為を代理する場合がある(民法第17条、第876条の9)。 どのような法律行為について「同意」や「代理」を必要とするかは、本人、配偶者、親族などの請求によって家庭裁判所が審判する(民法第17条、第876条の9)。 従って、被補助人との契約を行なうには、その補助人と事前に協議するべきである。