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売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)
読み:うりぬしのかしたんぽせきにん(ひんかくほうにおける~)

売買契約によって引き渡した目的物(たとえば、販売した住宅)が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主が負うこととなる責任。民法の規定による契約不適合責任のひとつで、これを「瑕疵担保責任」という。

売り主に契約不適合責任を負わせるためには、買い主は、追完請求(補修等の実施を求める請求)、代金減額請求損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。

民法は、契約不適合責任を負わせるためには、買い主は、原則として契約不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならないとしている。ただし、売り主が不適合を知っていたときまたは重大な過失によって知らなかったときはその限りではないとされている。

また、売り主は、知りながら告げなかった事実等についての契約不適合責任については免れることができないが、それ以外の事由による契約不適合については責任を負わない旨の特約をすることが認められている。

しかしながら、住宅の品質を確保するため、新築住宅の工事請負契約については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、契約不適合責任(瑕疵担保責任)について次のような特例が定められている。
(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」及び「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売り主は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。
(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。

この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。

なお、民法には、売り主の瑕疵担保責任について特別の規定があったが、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって削除され、契約不適合責任に統合・整理された。

売買契約

当事者の一方が、ある財産権を相手方に移転する意思を表示し、相手方がその代金を支払う意思を表示し、双方の意思が合致することで成立する契約のこと(民法第555条)。 売買契約は諾成契約とされている。つまり、当事者の双方が意思を表示し、意思が合致するだけで成立する(財産が引き渡されたときに成立するのではない)。 また、売買契約は不要式契約なので、書面による必要はなく口頭でも成立する。 さらに、売買契約は財産権を移転する契約であるが、その対価として交付されるのは金銭でなければならない(金銭以外の物を対価として交付すると「交換契約」となってしまう)。 当事者の双方の意思の合致により売買契約が成立したとき、売主には「財産権移転義務」が発生し、買主には「代金支払義務」が発生する。両方の義務の履行は「同時履行の関係」に立つとされる。

契約

対立する2個以上の意思表示の合致によって成立する法律行為のこと。 具体的には、売買契約、賃貸借契約、請負契約などのように、一方が申し込み、他方が承諾するという関係にある法律行為である。

契約不適合責任

売買契約や請負契約の履行において、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつである。 買主・注文者は、契約不適合責任を負う売主・請負人に対して、履行の追完請求(補修や代替物等の引渡し請求)、代金・報酬の減額請求、損害賠償請求又は契約解除権の行使をすることができる。ただしこれらの請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならない。 民法(債権関係)改正前は、売買の目的物に隠れたる瑕疵があったときの責任等について特別の規定が定められていたが、改正によってこの規定が削除され、隠れた瑕疵があった場合を含めて、目的物が契約に適合しない場合の規定に統合・整理された(改正法の施行は2020年4月1日から)。この統合・整理された規定では、引き渡した目的物が契約に適合しない場合には、引渡した者(売主・請負人)に履行の追完、代金の減額等の責任が生じることとなる。この生じる責任が契約不適合責任である。 なお、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」とおおむね同義であるが、特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)の売買についてのみ使われる用語である。

瑕疵担保責任

売買契約や請負契約の履行において、引き渡された目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主・請負人が買い主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつで、目的物が特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)である場合の「契約不適合責任」と同義である。 瑕疵担保責任を負わせるためには、買い主・注文者は、売り主・請負人に対して、履行の追完請求(補修等の実施請求)、代金の減額請求、報酬の減額請求、損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。 なお、住宅の品質を確保するため、新築住宅の瑕疵担保責任について「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく特別の定めがある。詳しくは「売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)」及び「請負人の瑕疵担保責任(品確法における~)」を参照。

追完請求

売買契約の履行において、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、買主が売主に対して、目的物の補修、代替物の引渡し又は不足分の引渡しを請求すること。「追完」とは、法的に効力が未確定な行為についてあとから行為を有効にすることである。 追完を請求する権利は、債務不履行に対して行使する請求権のひとつである。 追完請求をするためには、原則として、不適合を知った時から1年以内に不適合である旨を通知しなければならない。また、売主は、この請求に対して、買主に不相当な負担を課さない範囲で請求とは異なる方法で義務履行を追完することができる。 このルールは、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって明確化された。

代金減額請求

売買契約の履行において、引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない場合に、買い主が売り主に対して、代金の減額を請求すること。 代金の減額を請求する権利は、契約不適合を原因とする債務不履行に対する請求権のひとつである。 代金減額請求は、まずは履行の追完を催告し、追完されないときに行なうことができる。もっとも、催告しても追完を受ける見込みがない場合などは、催告なしに減額請求することができるとされる。 代金減額請求をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならない。 このルールは、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって明確化された。

損害賠償

違法行為によって損害が生じた場合に、その損害を填補することをいう。 債務不履行や不法行為などの違法な事実があり、その事実と損害の発生とに因果関係があれば損害賠償義務を負うことになる。その損害は、財産的か精神的かを問わず、積極的(実際に発生した損害)か消極的(逸失利益など)かも問わず填補の対象となる。 ただし、その範囲は、通常生ずべき損害とされ、当事者に予見可能性がない損害は対象とはならない(相当因果関係、因果の連鎖は無限に続くため、予見可能性の範囲に留めるという趣旨)。 損害賠償は原則として金銭でなされる。また、損害を受けた者に過失があるときは賠償額は減額され(過失相殺)、損害と同時に利益もあれば賠償額から控除される(損益相殺)。 なお、同じように損害の填補であっても、適法な行為(公権力の行使)によって生じた不利益に対する填補は、「損失補償」といわれて区別される。

新築

建物を新たに建築することをいう。これに対して、従来の建物を建て直すことを「改築」という。両者を併せて「新改築」ということもある。 法令上は、一般的に、新築と改築とで取扱いが異なることはないが、新築の場合は敷地の整備を伴うことが通例であるのに対して、改築の場合は敷地整備を行わないことが多い。

住宅の品質確保の促進等に関する法律

住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売り主に対して、住宅の一定部位について10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律。「品確法」ともいう。

 主な内容は次のとおりである。
 1.住宅性能評価書
 国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。
住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。

 登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない。
 住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売り主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買い主に引き渡す義務を負うことになる。

 2.弁護士会による紛争処理
・住宅紛争処理支援センター 建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる。
紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である。
 また、弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターを設置することとされ、「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣により指定されている。住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。
 3.10年間の瑕疵担保責任の義務付け等 新築住宅の売買または建設工事における契約不適合責任(瑕疵担保責任)として、次の義務を定めた。
 (1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売り主・工事請負人は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。 (2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。 この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。

雨水の浸入を防止する部分

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)で定められた雨水の侵入を防止するための住宅の部分のこと(品確法第87・88条、同法施行令第6条第2項)。 具体的には次の部分が「雨水の浸入を防止する部分」に該当する。 1.住宅の屋根と外壁 (具体的には屋根・外壁の仕上げ・下地などを指す) 2.住宅の屋根・外壁の開口部に設ける戸・枠その他の建具 (具体的にはサッシなどを指す) 3.雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、住宅の屋根もしくは外壁の内部または屋内にある部分 このような「雨水の侵入を防止する部分」については、住宅品質確保法により、新築住宅に関する10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている。 (詳しくは「請負人の瑕疵担保責任(品確法における~)」、「売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)」へ)

強行規定

法律の規定であって、公の秩序に関する規定を「強行規定」という。 また同じ意味で「強行法規」ということもある。 強行規定は、当事者の意思に左右されずに強制的に適用される規定であると解釈されている。従って、強行規定に反するような契約をした場合には、その契約はその部分について無効とされる。 この反対に、当事者の意思によって適用しないことができる規定は「任意規定」という。 ある規定が強行規定であるかどうかは、その規定の性質にもとづいて判断するのが原則である。例えば、民法の相続に関する諸規定は、社会秩序の根本に関わる規定であるため「強行規定」であると判断されている。 これに対して、消費者や社会的弱者を保護するようないくつかの法律では、法律中で強行規定であることを明記している場合がある。 例えば、借地権の存続期間等について定めた借地借家法第3条から第8条については、借地借家法第9条で「第3条から第8条に反する特約で、借地権者に不利なものは無効とする」と明記されている。