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開発許可が不要な開発行為(市街化区域等における~)
読み:かいはつきょかがふようなかいはつこうい(しがいかくいきとうにおける~)

A)市街化区域等における面積が次の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。
1.市街化区域における1,000平方メートル未満の開発行為(注1・2参照)
2.非線引き区域における3,000平方メートル未満の開発行為(注1・2参照)
3.準都市計画区域における3,000平方メートル未満の開発行為
4.都市計画区域および準都市計画区域以外の区域における1ヘクタール未満の開発行為
注1:三大都市圏の一定区域(都の特別区、首都圏の既成市街地と近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域と近郊整備区域、中部圏の都市整備区域)では、開発許可が不要な開発行為の最低面積は500平方メートル未満とされている。
注2:知事・指定都市等の市長は、条例によって開発許可が必要な開発行為の最低面積を300平方メートルにまで引き下げることができる。

従って、市街化調整区域における開発行為は、面積の如何にかかわらず開発許可を受けなければならない。

B)次の開発行為については、その面積の大小にかかわらず開発許可を受ける必要がない。
1)市街化区域以外において、農林漁業者の住宅および農林漁業用建築物(畜舎、蚕室、温室、堆肥舎、サイロなど)を建築するための開発行為
2)鉄道の施設、医療施設、小中学校、高校、公民館等の公益上必要な建築物の建築のための開発行為

市街化区域

都市計画によって定められた、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。 一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。 市街化区域内では、必ず用途地域が指定されている。

開発行為

都市計画法上の開発許可の対象となる行為のこと。 1.趣旨 都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、宅地開発に対しては知事(または市長)の許可が必要であると定めており、これを開発許可という(都市計画法第29条)。この開発許可の対象となる行為が「開発行為」である。 2.定義 開発行為とは、正確には「主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」と定義されている(都市計画法第4条第12項)。 ここで「特定工作物」と「土地の区画形質の変更」の意味については、おおよそ次のように定義されている。 1)特定工作物 コンクリートプラント、ゴルフコース、1ha以上のテニスコートなどのこと(詳しくは特定工作物へ)。 2)土地の区画形質の変更 宅地造成、道路の新設などを伴う土地区画の変更、農地から宅地への変更などのこと(詳しくは土地の区画形質の変更へ)。 2.の定義に該当しない行為は、開発行為ではないので、開発許可を必要としない。例えば、1ha未満のテニスコートの建設のための宅地造成は、開発行為に該当しない。また建築物を建築する目的で、登記簿上で土地を合筆することは「土地の区画形質の変更」ではないので、開発行為に該当しない。

開発許可

宅地造成等(開発行為)を行なう際に必要とされる許可のこと。都市計画法に基づく制度である。 1.趣旨 都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、開発許可の制度を設けている。一定規模以上の開発行為を行なうためには、知事(指定都市等では市長)から開発許可を受ける必要がある。 2.開発許可の概要 1)許可の対象は「開発行為」である。 2)開発行為を行なおうとする者は、開発行為に着手する前に知事(指定都市等では市長)の許可を受ける必要がある(都市計画法第29条)。 3)一定の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。 4)知事等が開発許可を与えるか否かを審査する基準には、全国どこでも適用される全般的許可基準(技術的基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内の開発行為についての基準(立地基準、都市計画法第34条)とがある。 3.開発行為 開発許可の対象は「開発行為」である。開発行為とは「建築物の建築または特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更すること」である(詳しくは「特定工作物」「土地の区画形質の変更」を参照)。 4.開発許可を得る必要がない開発行為 次のような開発行為は開発許可を受けないで行なうことができる。 1)次の面積に達しない開発行為 ・東京都の特別区・既成市街地・近郊整備地帯等:500平方メートル未満 ・市街化区域:1,000平方メートル未満 ・区域区分が定められていない都市計画区域: 3,000平方メートル未満 ・準都市計画区域:3,000平方メートル未満 ただしこれらの面積は、特に必要があると認められる場合には、都道府県・指定都市等の条例で「300平方メートル未満」にまで引き下げることができる。 2)市街化調整区域・区域区分が定められていない都市計画区域・準都市計画区域における、農林漁業者の住宅を建築するための開発行為および農林漁業用の建築物を建築するための開発行為 3)公益施設のための開発行為 公益施設は、駅舎、医療施設、小中学校、高校、公民館、郵便局、図書館、墓地、火葬場、と畜場、し尿処理施設、ごみ処理施設、卸売市場など政令で指定するものに限る。 4)国・都道府県・一定の市町村が行なう開発行為 5)都市計画事業の施行として行なう開発行為 6)市街地再開発事業の施行、住宅街区整備事業の施行、土地区画整理事業の施行として行なう開発行為 7)非常災害のため必要な応急措置、通常の管理行為・軽易な行為に該当する開発行為 通常の管理行為・軽易な行為は、仮設建築物の建築、土木事業などに一時的に使用するための第一種特定工作物の建設、車庫・物置その他附属建築物の建築、建築物の増築で増築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、建築物の改築で用途の変更を伴わないもの、建築物の改築で改築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売加工修理等の業務を営む店舗・事業場などの新築(延べ面積が50平方メートル以内)であって当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なう開発行為(開発規模が100平方メートル以内に限る)など、政令で指定するものに限る。 5.開発許可の基準 知事(指定都市等では市長)が開発許可を与える場合の基準が定められている。この基準には、全国どこでも適用される全般的な基準(技術基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内においてのみ適用される基準(立地基準、都市計画法第34条)の2種類がある。市街化調整区域では両方の基準を満たさなければならない。(開発許可基準については「開発許可の基準(全般的許可基準)」「開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)」参照) 6.都市計画区域・準都市計画区域以外の区域における開発行為 都市計画区域および準都市計画区域以外の区域においてその面積が1万平方メートル以上開発行為を行なう場合は、4の2)〜7)に該当しない限り開発許可を受けなければならない。

非線引き区域

市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。 法律上の名称は「区域区分が定められていない都市計画区域」である。 一つの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。 「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが2000(平成12)年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)。 1.趣旨 都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。 「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。 2.土地利用の規制について 「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なお、この「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。 3.都市施設等について 「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。 また市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。 4.開発許可について 「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし、開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに、市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。 ただし、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。 また、開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり、区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。

準都市計画区域

都市計画区域外の区域において、市街化が進行すると見込まれる場合に、土地利用を規制するために設ける区域。都道府県が指定する。 1.準都市計画区域の趣旨  都市計画区域を指定するためには一定の要件を満たすことが必要であるが、その要件を満たしていない区域であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、土地利用をあらかじめ規制しておくことが望ましい。その必要に応えるために、2000(平成12)年に創設されたのが「準都市計画区域」の制度である。 2.準都市計画区域の指定の要件  次の要件のすべてを満たす場合に、指定することができる。 1)都市計画区域外の土地であること 2)相当数の住居等の建築・敷地の造成等が現に行なわれ、または行なわれると見込まれること 3)そのまま放置すれば将来における都市としての整備開発保全に支障が生ずる恐れがあること 3.準都市計画区域の指定の方法 都道府県が指定する(指定の手続きについては「準都市計画区域の指定」を参照)。 4.準都市計画区域の指定の効果  準都市計画区域においては、次のような土地利用の規制が適用される。 1)次の地域地区を定めることができる。 「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「特定用途制限地域」「景観地区」「風致地区」「緑地保全地域」「伝統的建造物群保存地区」 2)開発許可制度が適用される。この結果、原則として開発面積が3,000平方メートルを超える宅地造成について都道府県知事(または市長)の許可が必要となる(「開発許可」を参照)。 3)建物等の新築や増改築移転(増改築移転部分の床面積が10平方メートル以内のものを除く)する場合には、事前に建築確認を受けなけらばならない。この場合には、都市計画区域内と同様の基準が適用される(「建築確認」を参照)。

建築

「建築物を新築し、増築し、改築し、または移転すること」と定義されている(建築基準法第2条第13号)。

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