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利益超過分配金
読み:りえきちょうかぶんぱいきん

投資法人による投資家への分配金のうち、利益以外を原資とするもの。英語ではOptimal Payable Distribution(オプティマル ペイアブル ディストリビューション(OPD))という。

REITなどにおける投資家への分配金は、原則として得られた利益を原資とするが、利益超過分配金は、会計上は費用として計上される減価償却費のうち、実際は支出しないと予想される金額を利益とは別に分配するもので、会計処理上は資本の払い戻し(減資)となる。

REITでは、主に倉庫などの物流施設に投資するものについて利益超過分配金が分配されている例があるが、その上限は減価償却費の6割とされる。

投資法人(投資信託における)

会社型投資信託において、投資家の資金によって投資を行なう主体となる法人をいう。 その構成員は投資主であるが、意思決定機関として投資主総会、業務遂行機関として役員会が設置されている。 投資法人の設立には内閣総理大臣への登録が必要で、出資総額は1億円以上とされるなど、一定の要件を満たさなければならない。また、投資法人は、投資主に対して会計情報等を開示するなど、その業務運営に関して規制があり、金融商品取引法等によって金融庁等の監督を受ける。 なお、投資法人による投資運用は、実際には、投資信託委託業者が行なっている。例えば、不動産投資信託(JREIT)の場合には、不動産と金融に詳しい専門家がこれに当たることが多い。

分配金

不動産投資信託の投資法人において、利益の分配として投資家に対して支払われる金銭のこと。通常の株式会社でいえば「配当金」に類似する。 分配金は、投資法人の会計期間の終了後に支払われる。不動産投資信託の投資法人の会計期間は通常6ヵ月に設定されているので、不動産投資信託の購入者(すなわち投資主)は、通常、年2回「分配金」を受け取ることができる。 分配金の原資となるのは原則として、投資法人の「当期純利益」である。当期純利益とは、その会計期間中の所得(税引前当期利益)から、法人税等を差し引いた後に残る、最終的な利益を指している。 また分配金の原資に関しては、出資総額(通常の会社でいえば資本金・資本準備金に相当)を原資に充てることも法律上は可能である。これは「出資の払い戻し」と呼ばれる。ただし現在のところ、上場されている不動産投資信託では出資の払い戻しは行なわれていない。 ところで、投資法人には投資法人の課税の特例(租税特別措置法第67条の15)により、法人税が事実上ほぼ免除されるという特長がある。 すなわち投資法人では、税引前当期利益(税法上の所得)の90%超に相当する額を、投資主へ分配金として支払うならば、その分配金に相当する額を法人税法上の「経費」として計上することができる。 具体的には、例えばある投資法人の1会計期間(6ヵ月)の税引前当期利益(税法上の所得)が100億円、分配金が99億円、法人税等の税率が40%であったとしよう。 この場合、分配金を損金(経費)扱いできるので、投資法人が支払うべき法人税等は(100億円-99億円)×40%=4,000万円となる。その結果、当期純利益は100億円から4,000万円を差し引いた残額、すなわち99億6,000万円となる。 このような「投資法人の課税の特例」により、法人税等が事実上ほぼ免除されるので、投資法人では「税引前当期利益」、「分配金」、「当期純利益」がほぼ等しいという現象が起きる。上記の設例でいえば、税引前当期利益は100億円、分配金は99億円、当期純利益は99億6,000万円である。 実際に、上場されている不動産投資信託では、税引前当期利益(税法上の所得)の100%近くを分配金に充てていることが多い。 なお、分配金の金額は、会計期間終了後2ヵ月以内に投資法人の役員会で正式に決定される。 上場された不動産投資信託の過去の実績を見ると、投資口価格(いわゆる株価に相当)に対して3~5%に相当する金額が、(投資口1口当たりの)分配金の1年間の合計として支払われている。

減価償却

企業会計において、長期間にわたって使用される資産(有形固定資産のほか、特許権などの無形固定資産を含む)を費用化する手法をいう。 例えば、生産設備などは複数の会計年度にわたって使い続けられるため、その取得費を複数年度に分けて費用として計上する必要があるが、そのための手法が減価償却である。 毎年度の減価償却費は、取得費用と耐用年数をもとに、一定の方法(定額法、定率法、級数法、生産高比例法のいずれか)で計算され、それを計上することによって資産が減価し、費用が発生することとなる。 なお、使用によって減価しない資産は減価償却の対象とならない。その代表的な例が、土地や地上権、借地権などである。 一方で、土地等は減価償却の対象とならない代わりに、地価の変動等に応じて再評価する必要がある。

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