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個別利用区(市街地再開発事業における~)
読み:こべつりようく(しがいちさいかいはつじぎょうにおける)

市街地再開発事業において定める既存建築物を存置または移転することができる区域。都市再開発法に基づく制度である。

市街地再開発事業においては、事業区域内の建物等はすべて除去するのが原則であるが、個別利用区内の既存建物は存置することができ、あるいは他の土地にある既存建物を個別利用区内に移転することができる。

個別利用区は、第一種市街地再開発事業の施行者が事業計画において定め、一定の建築物に係る地権者の申出に応じて、その権利が、再開発ビルに関する権利ではなく、個別利用区内の宅地に関する権利に変換される(権利変換の特例)。また、区域内の土地については、申出によって権利変換の対象となる土地以外は、事業施行者に帰属するよう計画で定めることとされている。

市街地再開発事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、市街地の合理的で高度な利用と都市機能の更新を目的として実施される事業をいう。 既成市街地において、細分化されていた敷地の統合・共同化、共同建築物の建設、公共施設の整備などを行なうことにより、都市空間の高度な利用を実現する役割を担う。 事業の方法は、第一種市街地再開発事業と第二種市街地再開発事業の2つがある。 第一種市街地再開発事業は、従前の権利を、原則として事業により新たに建設された共同建築物に対する相応の権利に変換する方法(権利変換方式)で行なわれる。このようにして与えられた建物に対する権利を「権利床」という。 一方、第二種市街地再開発事業は、第一種市街地再開発事業よりも緊急性が大きいと認められる場合に実施される。施行区域内の土地・建物等を事業施行者がいったんすべて買収し(最終的には収用できる)、買収によって権利を失う者は、希望により、事業によって新たに建設される建物に対する相応の権利を得る方法(管理処分方式)で行なわれる。 いずれの方法によっても、既成市街地における輻輳(ふくそう)したさまざまな権利を建物に対する権利へと変えるという権利調整が必要となる。 また、事業に要する資金は、原則として新たに建設する建物の処分によって賄うことになる。 なお、事業の仕組みは、「都市再開発法」に規定されている。

建物

民法では、土地の上に定着した物(定着物)であって、建物として使用が可能な物のことを「建物」という。 具体的には、建築中の建物は原則的に民法上の「建物」とは呼べないが、建物の使用目的から見て使用に適する構造部分を具備する程度になれば、建築途中であっても民法上の「建物」となり、不動産登記が可能になる。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。

宅地(宅地建物取引業法における~)

宅地建物取引業法では、宅地の定義を次のように定めている(宅地建物取引業法第2条第1号、施行令第1条)。 1.用途地域内の土地について 都市計画法で定める12種類の用途地域内に存在する土地は、どのような目的で取引する場合であろうと、すべて宅地建物取引業法上の「宅地」である。 従って、例えば用途地域内に存在する農地を、農地として利用する目的で売却する場合であっても、宅地建物取引業法では「宅地」として取り扱う。 2.用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地について 用途地域内の土地のうちで、5種類の公共施設の用に供されている土地については、「宅地」から除外する。具体的には、道路・公園・河川・広場・水路という5種類の公共施設の用地は「宅地」から除外される(ただし下記の補足1を参照のこと)。 3.建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地について 建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地は、土地の原状の用途に関係なく、すべて宅地建物取引業法上の「宅地」である。 従って、例えば土地登記簿上の地目が「田」「畑」「池沼」「山林」「原野」である土地であっても、その土地を、建物の敷地に供する目的で取引するならば、宅地建物取引業法上はすべて「宅地」として取り扱われる。 これについては、土地の所在がどこであろうと適用される判断基準である。従って、都市計画区域外の山林や原野を、建物の敷地に供する目的で取引する場合には、その山林や原野は「宅地」として取り扱われる。 (補足1)用途地域内の道路・公園・河川・広場・水路の用地を、建物の敷地に供する目的で取引の対象とする場合について: 例えば、用途地域内の道路用地である土地を、建物の敷地に供する目的で取引する場合には、上記3.の基準が適用される。従って、この場合は、用途地域内の道路用地が、宅地建物取引業法上の「宅地」に該当することになる。