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歴史まちづくり法
読み:れきしまちづくりほう

歴史や伝統を反映した活動とそれが行なわれる建造物や市街地とが一体となって形成している市街地環境(歴史的風致)の維持向上を図るための法律のことで、正式な名称は、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」である。

2008(平成20)年に公布・施行された。

歴史まちづくり法では、

1.市町村が、その区域における歴史的風致の維持および向上に関する方針、重点地区の位置等、文化財の保存・活用などを内容とする歴史的風致維持向上計画を策定して認定を受けること
2.歴史的風致形成建造物を指定してその保全を図ること
3.都市計画に歴史的風致維持向上地区計画を定めて建築物等の整備・市街地の保全を図るための行為規制等を行なうこと

などの制度が規定されている。

歴史的風致維持向上計画

歴史的風致(地域における固有の歴史・伝統を反映した活動と、その活動が行なわれる歴史上価値の高い建造物や周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地環境)を維持・向上するための計画をいう。 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律に基づいて市町村が作成し、文部科学・農林水産・国土交通大臣が認定する。 歴史的風致維持向上計画には、施策を重点的に行なう区域、文化財や歴史的風致維持向上施設の保存・活用・整備、歴史的風致形成建造物の指定方針などが記載され、その計画に沿って施策が実施される。 また、歴史的風致維持向上計画に記載された農業用排水施設、都市公園等について管理の特例が認められるなど、計画の実施について法的な支援がなされる。

歴史的風致形成建造物

歴史的風致を形成し、その維持向上のために保全すべき建造物として、市町村長が指定するものをいう。 指定は、歴史的風致維持向上計画に記載された指定方針に即して、一定の要件を備えたものに限って行なわなければならない。 歴史的風致形成建造物の増改築や移転・除却に当たっては、着手前に市町村長に届け出なければならず、市町村長は、届出された行為に対して設計変更等を勧告することができる。 また、歴史的風致形成建造物の所有者等は、管理や修理について技術的な指導・助言等を求めることができる。

都市計画

土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画であって、都市計画の決定手続により定められた計画のこと(都市計画法第4条第1号)。 具体的には都市計画とは次の1.から11.のことである。 1.都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画法第6条の2) 2.都市再開発方針等(同法第7条の2) 3.区域区分(同法第7条) 4.地域地区(同法第8条) 5.促進区域(同法第10条の2) 6.遊休土地転換利用促進地区(同法第10条の3) 7.被災市街地復興推進地域(同法第10条の4) 8.都市施設(同法第11条) 9.市街地開発事業(同法第12条) 10.市街地開発事業等予定区域(同法第12条の2) 11.地区計画等(同法第12条の4) 注: ・上記1.から11.の都市計画は、都市計画区域で定めることとされている。ただし上記8.の都市施設については特に必要がある場合には、都市計画区域の外で定めることができる(同法第11条第1項)。 ・上記4.の地域地区は「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」「高度利用地区」「特定街区」「防火地域」「準防火地域」「美観地区」「風致地区」「特定用途制限地域」「高層住居誘導地区」などの多様な地域・地区・街区の総称である。 ・上記1.から11.の都市計画は都道府県または市町村が定める(詳しくは都市計画の決定主体へ)。

建築物

建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。 これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。 1.屋根と柱または壁を有するもの 2.上記に付属する門や塀 3.以上のものに設けられる建築設備 上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。 なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。