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省エネ改修促進税制(住宅の~)
読み:しょうえねかいしゅうそくしんぜいせい(じゅうたくの~)

家屋に対して省エネ改修工事を行なった場合に課税を軽減する特例。特例は、所得税および固定資産税について適用される。

1 所得税の特例

自己が居住している家屋(貸家住宅を除く)に対する次の工事が対象。
1)居室のすべての窓の改修工事

2)1)と合わせて行なう床、天井、壁の断熱工事で改修部分が省エネルギー基準以上の性能となるものを行なって、改修後の住宅全体の省エネ性能が一定程度上がる場合(工事50万円超に限る)



これらの工事のための借入金残高の一定割合(住宅全体が省エネ基準まで性能が上がる省エネ改修工事費については2%、合わせて行なったそれ以外の改修費については1%、それぞれ限度額あり)について、5年間にわたって税額が控除される。対象は床面積50平方メートル以下の家屋に限られる。



この制度は、一般の住宅リフォーム減税との間で選択的に適用される。




さらに、省エネ改修工事に要した費用の10%を工事実施年度の所得税額から控除するという特別措置が適用されている(居住年に応じて工事額および控除額に限度がある)。

ただし、これらの特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

2 固定資産税の特例

次の工事を行なった家屋(貸家住宅を除く)が対象。

1)居室のすべての窓の改修工事

2)1)と合わせて行なう床、天井、壁の断熱工事で改修部分が省エネ基準以上の性能となるものを行なった場合(工事50万円超に限る)



これらの工事の対象となった家屋に対する翌年度の固定資産税額(120平方メートル相当分までに限る)を、3分の1減額する。



対象は床面積50平方メートル以下の家屋に限られる。

ただし、これらの特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

固定資産税

毎年1月1日現在において、土地・家屋等を所有している者に対し、市町村が課税する地方税のこと。 不動産の所在地の市町村が課税の主体となるので、実際の徴収事務は市町村の税務担当部署が行なう。 固定資産税の納付方法については、年度初めに市町村から土地・家屋の所有者に対して、固定資産税の「納税通知書」が送付されてくるので、それに従って年度内に通常4回に分割して納付することとされている(ただし1年分をまとめて先に支払うことも可能である)。 固定資産税の税額は原則的に「固定資産税課税標準額の1.4%」とされている。 ただし、一定の新築住宅については固定資産税額の軽減措置が実施されている。また、住宅用地については固定資産税課税標準額そのものが6分の1または3分の1に圧縮されている。 固定資産税は毎年1月1日において、固定資産課台帳に所有者として登録されている者に課税される。 従って、年の途中で不動産の売買が行なわれて、所有者が変わった場合であっても、納税義務者は元の所有者となる。こうした場合には不動産売買契約書において、その年度分の固定資産税額の一部を新所有者が負担するという特約を設けることが多い。

居室

居室とは「居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室のこと」である(建築基準法第2条4号)。 この定義に従えば、一般の住宅の場合、居室とは「居間」「寝室」「台所」である。 その反対に、「玄関」「便所」「浴室」「脱衣室」「洗面所」「押入れ」「納戸」「廊下」は居室ではない。 なお建築基準法では、居住の目的のための居室については、採光に関する基準(建築基準法第28条第1項)と換気に関する基準(建築基準法第28条第2項)をクリアすることを必要としている。 ただし、居室として使用する地下室については採光の基準が適用されず、その代わりに衛生上必要な防湿の措置等を行なうことが必要とされている(建築基準法第29条)。

省エネ基準

建築物の使用によって消費されるエネルギー量に基づいて性能を評価する場合に、その基準となる性能をいう。「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)に基づいて定められている。法令上の用語は「建築物エネルギー消費性能基準」である。 省エネ基準は、(A)一次エネルギー消費量に関する基準、(B)外皮熱性能に関する基準の二つから構成されている。 (A)一次エネルギー消費量に関する基準 すべての建物についての基準で、一定の条件のもとで算出した、空調、照明、換気、給湯等の諸設備のエネルギー消費量および太陽光発電設備等によるエネルギーの創出量 (B)外皮熱性能に関する基準 住宅についての基準で、一定の条件のもとで算出した、外壁や窓の外皮平均熱貫流率(単位外皮面積・単位温度当たりの熱損失量)および冷房期の平均日射熱取得率(単位外皮面積当たりの単位日射強度に対する日射熱取得量の割合)であって、地域の区分に応じて定める (注:非住宅建築物についても外皮熱性能に関する基準が定められているが、これは、建築物省エネ法上の「建築物エネルギー消費性能基準(省エネ基準)」とはされていない。) 省エネ基準は、建築物省エネ法による次のような規制、指導、表示などにおいて、その判定、指示、認定等の基準となっている。 (1)適合義務 一定規模以上の非住宅建築物は、新築時等に、一次エネルギー消費量に関する省エネ基準に適合しなければならず、基準不適合の場合には、建築確認を受けることができない。 (2)届出義務 一定規模以上の建築物(住宅、非住宅建築物)について、新増改築時に、エネルギー消費性能の確保のための構造および設備に関する計画を届け出なければならず、省エネ基準に適合しない場合には、必要に応じて指示・命令がなされる。 (3)エネルギー消費性能の表示 建築物の所有者は、その建築物が省エネ基準に適合することの認定を受け、その旨を表示することができる。 なお、建築物のエネルギー消費性能に関する基準には、省エネ基準のほか、次のものがある。 ア)住宅トップランナー基準 住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅の省エネ性能を誘導する際に適用する基準 イ)誘導基準 省エネ性能向上計画の認定を受けて容積率の特例を受ける際の基準

住宅リフォーム減税

特定の目的で住宅の改修をした場合に、課税が軽減される制度をいう。 減税の対象となるのは、省エネ・バリアフリー・耐震の各目的で行なった住宅改修工事であり、減税の方法としては、 1.工事費の一定割合を所得税額から控除する方法 2.工事のための借入金残高の一定割合を所得税額から控除する方法(ローン控除、省エネ・バリアフリー、三世代同居、長期優良住宅化についてのみ適用) がある。また、改修後の住宅に課する固定資産税が一定期間減額される。 それぞれについて、減税対象となる工事の内容、控除額の算定方法や上限、適用期間などが定められている。詳細は、「省エネ改修促進税制(住宅の~)」「バリアフリー改修促進税制(住宅の~)」「耐震改修促進税制(住宅の~)」を参照。 なお、一般の住宅ローン減税においても、一定の改修工事費がその対象とされている。この場合には、改修目的は限定されないが、居住を目的とした住宅リフォームであること、リフォーム後の床面積が50平方メートル以上(合計所得金額が1,000万円以下で2024(令和6)年までに建築確認:40平方メートル)であることなどの要件を満たさなければならない。