三井住友トラスト不動産

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不動産投資インデックス
読み:ふどうさんとうしいんでっくす

不動産の収益性を一般的に示すための指標をいう。

個別の不動産についての収益性ではなく、不動産市場全体の動向を収益性の視点から把握できる指標でなければならないとされる。

不動産の収益性は、大きく、

1.期間中に得られる純収益(賃料等と管理費用等の差、インカムゲイン

2.期間中の資産価値の増減(キャピタルゲイン

に分かれるが、不動産投資インデックスは、両者を総合化したもののほか、それぞれを独立させて指標化する場合もある。

また、不動産の特徴から、地域性や不動産の種類に応じた収益性の把握が可能でなければならないほか、他の投資商品と比較可能であること、十分な頻度と継続性が確保されていること、豊富なデータによる信頼性の高い算出方法であることなどが要求される。特に、不動産取引データの多くは非公開であるため、不動産投資インデックスの作成には困難が伴うとされている。現実にもいくつかの試みはあるものの、現在のところ標準的な不動産投資インデックスは存在しない。

なお、地価の動向など不動産市場の一般的な動向を、収益性に限定せずに把握する指標を「不動産インデックス」とよぶことがある。

不動産

不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。 定着物とは、土地の上に定着した物であり、具体的には、建物、樹木、移動困難な庭石などである。また土砂は土地そのものである。

賃料

賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。 特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。 なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。

インカムゲイン

資産の保有によって得る利益。英語のincome gain。不動産の賃料、株式の配当、預金の利子などがこれに該当する。 不動産のインカムゲインは、賃料収入から保有・管理費用を減じた価額である。 インカムゲインに対して、資産価額の変動によって得る利益を「キャピタルゲイン」と言い、例えば、不動産の売却益がこれに該当する。

資産価値

財産として評価した価額。おおむね市場での取引価格に等しい。これに対して、資産の利用によって得る便益に着目して評価した価額を「利用価値」という場合がある。 不動産の資産価値は、土地と建物を分けて算定することが多い。土地の資産価値は立地、区画形質などによって、建物の資産価値は立地、デザイン、管理状態などによって決まると考えられている。一般に、土地の資産価値は経年的に変化しない一方、建物の資産価値は建築後の時間経過とともに減少するとされる。ただし、不動産の資産価値は、通常、土地と建物が一体となって形成しているから、両者を截然と分けて評価することには限界がある。

キャピタルゲイン(Capital Gain)

資産の価格変動に伴って得る利益をいう。 株式や不動産などの売買差益はこれに当たる。 資産から得られる利益の種類で、その保有により得る利益をインカムゲイン、その価格変動に伴って得る利益をキャピタルゲイン(損失はキャピタルロス)という。株式の配当、不動産の賃料、預金の利子などはインカムゲイン、株式や不動産などの売買差益はキャピタルゲイン(譲渡益、資本利得ともいう)である。 両者は税務上の取扱いなどが異なるため、投資に当たっても両者の性格の違いを十分に認識しておくことが重要である。 もっとも、両者は無関係ではなく、資産の価格はそれから得ることのできる利益を現在価格に還元したものの総額に等しいとされているため、例えばインカムゲインが増大すれば資産価格が上昇して、キャピタルゲインを得る機会となる。ただし、資産価格は期待や予想に左右されやすいことに注意が必要である。