不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報税理士が教える 売買、相続、贈与…『不動産に関わる税金』の基礎知識

専門家がレクチャー

不動産の売買や、相続、贈与など、
土地や建物に動きがある時に、必ずかかるのが『税金』です。
種類も多く特例等もあり、苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。

今回、不動産に関わる税金や相続対策、土地活用に詳しい
税理士の山端康幸先生に、不動産関連の税金の基礎知識を
レクチャーしていただきました。必読保存版です!

税理士が教える 売買、相続、贈与…『不動産に関わる税金』の基礎知識

不動産の売買や、相続、贈与など、 土地や建物に動きがある時に、必ずかかるのが『税金』です。
種類も多く特例等もあり、苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。

今回、不動産に関わる税金や相続対策、土地活用に詳しい 税理士の山端康幸先生に、不動産関連の税金の基礎知識を レクチャーしていただきました。必読保存版です!

税理士法人 東京シティ税理士事務所所長 山端康幸先生

所長 山端康幸先生
税理士・行政書士。土地譲渡の税金・相続税・マイホームの税金・土地の有効活用・アパートマンションオーナーの税金問題等を得意分野とする。著書に『贈与の手続きと節税がぜんぶわかる本』(あさ出版)他多数。

不動産の売主にかかる税金

不動産の買主にかかる税金

LECTURE1

不動産売買の時にかかる
税金について

今回お話を伺ったのは、税理士法人 東京シティ税理士事務所所長の山端康幸先生。種類が多く難しい印象のある、不動産関連の税金についてレクチャーしていただきました。

山端先生「まずは、マイホームを買ったり、売却して住み替えたりと、一生のうちで一度は経験するであろう不動産の売買の際にかかる税金についてお話しましょう」
「売主と買主ではかかる税金の種類も異なるのですが、共通するものは『印紙税』です。『印紙税』は不動産の売買契約書に収入印紙を貼り、そこに消印することで納付したことになります」

契約金額によって、税額も変わるのでしょうか?

山端先生「はい。たとえば、契約金額が5,000万円超~1億円以下であれば印紙税は原則60,000円ですが、平成26年4月1日から平成30年3月31日までは軽減措置により30,000円となります」
「次に、売主のみにかかる税金に『譲渡所得税』があり、譲渡所得があった場合(売却時に利益が出た場合)に発生します。また、譲渡所得に対して『住民税』もかかります。たとえば、4,000万円で購入したマンションが5,000万円で売却できた場合、差額の1,000万円に税金がかかります。厳密に言うと、総収入金額から取得費(取得価格+設備費+改良費-減価の額)・譲渡費用を控除した金額が課税対象になります。税額の計算では、譲渡した土地建物等の所有期間がどれくらいかによって税率が異なり、5年を超える長期保有の場合は20.315%(所得税率※15.315%+住民税率5%)、5年以下の短期保有の場合は39.63%(所得税率※30.63%+住民税率9%)となります」※復興特別所得税含む

短期保有のケースの税額が高いのは、投資目的とみなされるからですね。

山端先生「はい。なお、居住用不動産を譲渡した場合で特別控除の適用要件を満たせば、3,000万円までの譲渡所得分は控除されます」
「それから、注意していただきたいのが、国民健康保険に加入している場合の保険料です。不動産の売却で譲渡益が出た場合は、翌年の保険料額がそれに応じて上がりますので、納付に備えて譲渡益から保険料分を取りおいておくと安心です」

売却の翌年だけとはいえ、いきなり保険料額が上がると慌ててしまいそうです。国民健康保険加入者は、このことを忘れないようにしたいですね。

山端先生「次に、不動産の買主にのみかかる税金です。まず、土地の購入代金にはかかりませんが、建物の購入代金には『消費税』がかかります。そして、不動産の引き渡しを受けるのと同時に登記を行ないますが、このときにかかる税金が『登録免許税』です。また、不動産を取得すると数か月後には『不動産取得税』の納税通知書が送られてきます」

たたみかけるように、さまざまな税金がやってきますね(苦笑)。

山端先生「『不動産取得税』には、軽減の特例があります(平成30年3月31日まで)。たとえば、土地・建物の税額は、固定資産税評価額×4%のところ、特例により土地及び住宅は×3%(住宅以外の家屋は4%)となります。また、宅地の課税標準額は、固定資産税評価額×1/2となります。新築住宅およびその敷地、中古住宅およびその敷地、認定長期優良住宅それぞれにも軽減の特例があります※」※適用要件あり
「なお、軽減のためには、不動産の所在地を管轄する各都道府県の税事務所に取得後60日以内※に申請する必要があるので注意してください」※日数は各都道府県によって異なります

LECTURE2

不動産の贈与・相続の時に
かかる税金

山端先生「次に、不動産の贈与時の税金についてお話ししましょう。まず、『贈与税』の納税義務者は、贈与する人ではなく贈与を受ける人であることを覚えてくださいね」

財産を受け取った側が、相応の税金を払うのですね。

山端先生「はい。土地や建物等の不動産だけでなく、不動産購入資金等の現金の贈与を受けたときにも贈与税はかかります」
「贈与税は、110万円の基礎控除額を引いた金額に課税されます。土地・建物等の贈与の場合、その価額は原則として相続税評価額となります」

贈与税には特例はないのでしょうか?

山端先生「『贈与税の配偶者控除の特例』というものがあります。この特例により、マイホーム(居住用不動産)またはマイホーム購入資金のうち、2,000万円(基礎控除と合わせれば2,110万円)を評価額(あるいは金額)から控除できます。ただし、婚姻期間20年以上などの適用要件があります。また、子がマイホームを取得する際に、父母または祖父母等から資金の贈与を受けた際にも特例があり、一定限度額までが非課税となります(『住宅取得等資金の贈与の特例』平成31年6月30日まで)」
「なお、贈与時に特例によって贈与税がかからなくても、登記簿の名義変更にともなう『登録免許税』と『不動産取得税』はかかります」

不動産の相続に関する税金についても教えていただけますか。最近、税制が改正になり、相続税がかかるケースが増えていると聞きますが。

山端先生「平成27年1月1日以後の相続から『相続税』の基礎控除が縮小されました。税制改正前の基礎控除額は、【5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)】でしたが、改正後は【3,000万円+(600万円×法定相続人の数)】になったのです。遺産が基礎控除額を超える場合には、相続税の申告が必要になります。」

地価の高い都市部の不動産を相続する場合等は、それほど広くない敷地であっても、相続税がかかる可能性が大きくなったというわけですね。

山端先生「そうですね。なお、当該敷地が小規模宅地等の特例の適用要件に合致すれば、相続税を計算するときの土地の評価額が減額されます」

特例には、適用要件がつきもののようですね。初心者には把握しきれないことも多いので、専門家に相談した方がよさそうです。

山端先生「なお、相続にともない登記簿の名義変更を行いますので『登録免許税』がかかりますが、贈与と違って『不動産取得税』はかかりません」

贈与や相続で確定申告が必要になった場合は、税理士の先生等専門家のアドバイスを得て、間違いなく申告したいものです(イメージ)

不動産に関する税の種類は多岐に渡ります。何かあったときに相談できるパートナーがいると安心です(イメージ)

LECTURE3

不動産を保有している時に
かかる税金

不動産の売買、贈与、相続時だけでなく、保有している時にも税金はかかるのですか。

山端先生「はい。『固定資産税』と『都市計画税』という税金があります。『固定資産税』は、土地や家屋等の不動産または償却資産を所有している者(法人、個人問わず)に対し、その所在する市町村(東京23区内では都)が課税する税金です。『都市計画税』は、都市計画事業または土地区画整理事業を行う市町村が、その事業の費用に充てるため、これらの事業が行われる都市計画区域のうち原則として市街化区域内に所在する土地および家屋に対して課税する税金です。いずれも、毎年1月1日現在、各市町村に備え付けられている固定資産課税台帳にその土地や家屋の所有者として登録されている人に納税義務があります」

土地と家屋、それぞれに税金がかかるのですね。

山端先生「住宅用地や新築住宅については、税負担を軽くするための特例があります。耐震リフォーム等を行った際にも、減免制度があります。また、自治体が独自に設けている減免制度などもありますので、各自治体に確認するとよいでしょう」

税制改正で、適用要件の見直しや期限の延長、廃止などもしばしば行なわれますね。その年度の税制内容を確認することが大切ですね。

山端先生「なお、気をつけるべきこととして、固定資産税や都市計画税の過徴収等の誤課税が、過去に何度も起きているということがあげられます」

えっ! 誤課税で過徴収ですか。それはたまったものではありませんね。

山端先生「人間の行うことですから、ミスは起こり得ます。さきほどの軽減措置が適用されていなかったり等ですね。自衛策として、毎年送られてくる納税通知書の内容をしっかり確認することが大切です」

納税は国民の義務ですから、納めるべき分はきちんと納めるとして、減免制度や特例等はきちんと受けられるようにしたいものです。不動産を売買したり、所有していて不明な点がある場合は、税の専門家にチェックしていただくのが一番安心できますね。

(作成日 2016年3月24日)