不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報ベテラン建築家が教える これだけは知っておきたい!「土地選び」のポイント

専門家がレクチャー

「注文住宅でマイホームを建てたい」と思うなら、
まずは土地を準備する必要があります。
多くの人にとって、土地探しは初めての経験。
どんなところに気をつけて選んだらいいのか、迷いますね。

今回は、注文住宅を数多く設計している建築家の佐川旭先生に、
土地選びのポイントについて伺いました。
これから土地探しをする人、必読です。

ベテラン建築家が教える これだけは知っておきたい!「土地選び」のポイント

「注文住宅でマイホームを建てたい」と思うなら、 まずは土地を準備する必要があります。
多くの人にとって、土地探しは初めての経験。
どんなところに気をつけて選んだらいいのか、迷いますね。

今回は、注文住宅を数多く設計している建築家の佐川旭先生に、 土地選びのポイントについて伺いました。
これから土地探しをする人、必読です。

佐川 旭 先生

「時がつくるデザイン」を基本に据え、「つたえる」「つなぐ」をテーマに個人住宅や公共建築等の設計を手がける。また、講演や執筆などでも活躍中。

LECTURE1

『希望するエリアを絞り、
街の環境や雰囲気をチェック

お話を伺ったのは、注文住宅を200軒以上手がけているベテラン建築家・佐川旭先生。土地探しの初心者向けに“これだけは知っておきたいポイント”について教えていただきました。

佐川先生「まずは、希望するエリアを決めることから始めましょう。学生時代に住んでいて馴染みのある場所、通勤や実家への行き来に便利な場所など、人それぞれに基準があると思います」

○○線の沿線、といった感じで絞り込んでいくとよさそうですね。

佐川先生「そうですね。希望するエリアが決まったら、まずは見に行くことです。最近はインターネットにも情報が出ていますが、その場に実際に行くことで得られる情報に勝るものはありません」

グーグルのストリートビューで街並みを見ることはできますが、街の空気やそこに住む人々の雰囲気などは、歩いてみないと分からないですね!

佐川先生「『この街路樹キレイ』『この街並みは好きな感じ』など、家族で一緒に歩きながら感想を交わすといいですね。お互いに感じていることを共有することで、気持ちが近づきます。そういうプロセスも大事なんですよ」

夫婦でも感じ方が違ったりして、相手の意外な一面に気づくかもしれません(笑)。主に、どのようなポイントをチェックするといいでしょうか?

佐川先生「この地域は商店街が多く買い物も便利で生活しやすそう、歩道もあって街並みがきれい……など、肌で感じる感覚を大切にするといいですね。家を建てるということは、そこの共同体の一員となることですから、環境に馴染めるかどうかは大切なポイントとなります」

人情にあつくて交流も濃い下町、良くも悪くも干渉の少ない新興住宅地……など、そのエリアの雰囲気と自分の志向が合うかどうかを、見極めていくことが大事ですね。

LECTURE2

法規制、形状、周辺環境……
土地の条件をチェックしよう

エリアが絞り込めたら、いよいよ土地探しですね。チェックすべきポイントの基本を教えてください。

佐川先生「まずは、隣地との境界のチェックですね。新しい分譲地ならあまり心配はありませんが、境界があいまいになっている土地もあります。境界石や境界プレートをしっかりチェックしておきましょう」

古い塀が境界になっていて、正確なラインが分からなくなっているケースがあると聞いたことがあります。要注意ですね。

佐川先生「また、土地には法的な制限があって、自分の土地だからといって好き勝手に建てるわけにはいきません。法的制限には、用途地域、容積率、建ぺい率、高さ制限や斜線制限などいくつもの項目があります。土地をチェックする際の必須項目ですから、書籍や住宅雑誌などで基本的な知識をあらかじめ得ておくことをお勧めします」

たとえば、建ぺい率や容積率が低いと、思っていたより小さな家しか建てられないということもあるわけですね(建ぺい率・右図参照)。

佐川先生「土地の形も気になるところですね。でも、きれいな長方形の土地などは意外と流通していないものです。その点、変形敷地は割安で、設計の腕次第でいい家を建てることが可能ですから、実はお買い得なんですよ」

なるほど! それはいいお話を聞きました(笑)

佐川先生「また、建物を建てる際には、敷地が建築基準法上の道路(幅員4m以上)に2m以上接していなければならないという決まりもあります。もし、幅員4m未満の道路に接している場合は、2m以上後退した線から建物などが出ないようにする必要があります。後退した分、敷地面積は小さくなります(セットバック・右図参照)。

土地だけではなく、接している道路との関係も見なくてはならないのですね。

佐川先生「ほかに、土地の中での高低差、隣地との高低差や隣家の状況、日当たりや通風、眺望が一番良さそうな方角などについても、実際にその土地に立って確認してみましょう」

地面ばかりをじーっと眺めているだけでは、限界がありますね(笑)。実際に、そこに住むことをイメージしながら、土地を見ることが大事なのですね。

【建ぺい率】敷地面積100㎡で建ぺい率60%の場合、建築面積の上限は60㎡となります。建築面積とは、建物を真上からみたときの水平投影面積のことです

【セットバック】敷地が接している道路が幅4m未満の場合は、規定された分後退しなくてはならず、その分敷地面積が狭くなります

その土地の周辺環境など、足を運ばないと得られない情報も多くあります。自分で動いてさまざまな角度からチェックしましょう(イメージ)

LECTURE3

気に入った土地は、
さまざまな角度からチェックしよう

佐川先生「いいなと思う土地が絞り込めて来たら、朝・昼・晩、平日・休日など、時間帯や曜日を変えて、何度も足を運んでみましょう」

静かな住宅街だと思っていたら、朝夕は通勤の車の抜け道になっていた、などということもありますね。

佐川先生「今は良好な環境でも、将来、近くに大きな施設が建設予定などということもあります。自治体に出向いて計画を確認することをお勧めします」
「雨の降った後にも出かけてみましょう。一部分だけ水はけが悪く、水たまりになっているので調べてみると、かつて井戸があったり、廃材などが埋められていたことが分かったケースもあります」

自分で動いて、さまざまな角度からチェックすることが大事なのですね。

佐川先生「その街の雰囲気や学校の様子などは、自治会の会長さんなどに聞いてみるのもいいですよ。インターネットでは拾えない生の情報を得ることが、成功する土地探しのキーポイントです」

なるほど! でも、チェックすべきポイントが多岐に渡るので、モレがないか心配になってしまいそうですが……

佐川先生「そうですね。やはり、プロならではの目の付けどころもあります。候補が絞りこめてきたら、われわれのような家づくりの専門家にも同行を依頼するといいですよ」

それは心強いですね! 遠慮しないでお願いしようと思います(笑)

佐川先生「晴れて土地を購入し、間取りが固まったら、まずは地盤調査を行うことを忘れずに。調査の結果、軟弱地盤が判明したら地盤補強工事が必要となります。予算の配分に大きく関わる部分でもありますから、かならず建物の四隅と真ん中の5ポイントを行いましょう」

(作成日 2015年8月17日)