不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報不動産売買、その前に。 あなたを守る『宅地建物取引業法』を知っておこう!

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弁護士が教える 遺言通りにならないケースも!遺産相続の際に相談が多い「遺留分」「寄与分」とは?

後悔しない不動産売買のためには、
正しい知識と、当事者としての自覚を持つことが大切。
信頼できる不動産のプロをパートナーに選びつつ、
お任せではなく、主体的に関わる姿勢で臨みたいものです。

今回は、不動産関連の法律に詳しい弁護士・瀬川徹先生に、
『宅地建物取引業法』について伺いました。
不動産売買を考えている人は、必読の内容です。

不動産売買、その前に。 あなたを守る『宅地建物取引業法』を知っておこう!

後悔しない不動産売買のためには、 正しい知識と、当事者としての自覚を持つことが大切。
信頼できる不動産のプロをパートナーに選びつつ、 お任せではなく、主体的に関わる姿勢で臨みたいものです。

今回は、不動産関連の法律に詳しい弁護士・瀬川徹先生に、 『宅地建物取引業法』について伺いました。
不動産売買を考えている人は、必読の内容です。

瀬川 徹先生

瀬川徹法律事務所

弁護士瀬川 徹 先生

昭和51年弁護士登録 著作に「判例が教える不動産トラブル解決法」(住宅新報社)等。東京地裁調停委員、東京地裁鑑定委員。

LECTURE1

『宅地建物取引業』は、
不動産業界の憲法的な存在

今回『宅地建物取引業法』についてお話を伺った、弁護士の瀬川徹先生。不動産業界団体の講演会・研修会の講師、宅地建物取引士法定講習会の講師及び民事調停委員・鑑定委員として不動産取引の紛争の処理や調停等不動産に関する法律に詳しく、政府の審議会委員としてもご活躍です。

瀬川先生「『宅地建物取引業法』(以下『宅建業法』)は、宅地建物取引業者の業務に関する規制や罰則などを定めたものです。平たく言えば、不動産会社を取り締まるための法律ですね。」

土地や建物を売りたい、もしくは買いたいと考えている個人は、仲介業者である不動産会社とは違い、不動産の素人ですよね。そのような弱者である個人(消費者)を保護してくれる法律だと考えてよいのでしょうか?

瀬川先生「はい。不動産売買をする人の味方になる法律だと思ってください」

なんだか急に親近感がわいてきました(笑)。具体的には、どのようなことが定められているのでしょうか?

瀬川先生「その前に『宅建業法』ができた背景をお話ししましょうか。話は戦後の住宅難の時代にさかのぼります。当時、不動産取引を規制する法律はなく、専門的な知識や経験がなくても取引に従事できたんですね。でも、その中には悪質な業者もいて、損害を被る例が出てきました。そこで、不動産業の健全な発展のために、昭和27年に国が『宅建業法』を制定したというわけです」

無法地帯だったところから、秩序ある業界へと変貌を遂げてきたわけですね。

瀬川先生「“衣食住”という言葉があるように、住宅は人間生活の重要な基盤です。しかし、宅地や建物の取引については、一般消費者は知識や経験が乏しいのが普通です。その一方で悪質な業者も存在したため、損害を被る事例が残念ながら少なくありませんでした」
「そこで、『宅建業法』では不動産取引業に免許制度を実施して、取引に対して必要な規制を行い、消費者の利益を保護するとともに、宅地や建物が円滑に流通することを目指しているのです。つまり、『宅建業法』は不動産業界の憲法のようなものだと言ってよいでしょう」

LECTURE2

“重要事項説明”の内容を
理解・納得してから、売買契約へと進もう

瀬川先生「『宅建業法』には、宅地建物取引業者の免許に関すること、宅地建物取引士やその業務内容に関すること、罰則規定などさまざまな内容が定められています」

消費者である私たちが知っておくといいことはありますか?

瀬川先生「不動産取引業を営むためには『宅建業法』に基づく免許を受ける必要があり、この免許は更新制となっています。免許の有効期間は現在、5年と定められています」
「免許更新の回数は、免許番号の前のカッコ内の数字で分かります。たとえば、東京都知事(1)第11111号であれば、最初の免許取得からまだ更新を行っていない取引業者です。つまり、宅地建物取引業に従事してからまだ5年未満であることがわかります」

業者選びの判断の一助になりますね。

瀬川先生「そして、不動産の購入を考えている人にぜひ知っておいてほしいのが“重要事項説明”です」
「『宅建業法』では不動産売買契約を結ぶ前に、宅地建物取引士による“重要事項説明”を義務づけています。これから買おうとしている人が意思決定するための重要な判断材料となり、トラブルを未然に防ぐことにもなりますので、このプロセスは必ず行わなくてはなりません」

“重要事項”とは、具体的にどのような内容を指すのでしょうか?

瀬川先生「大きく分けて“対象物件に関する事項”と“取引条件に関する事項”があります(“重要事項説明”の流れについては図表を参照)。もし、物件の問題点が明らかになったり、説明の内容に納得できない部分があった場合などは、売買契約を断ることができます」

“重要事項説明”は、どのくらいの時間をかけて行われるのでしょうか? 普段馴染みのない分野だけに、話を聞いても理解できるか不安です。

瀬川先生「取引の内容にもよりますが、1~2時間はかかると思っていてよいでしょう。宅地建物取引士が、書面の内容について口頭で説明を行うことになっています」

内容をきちんと理解し納得するために、“重要事項説明”は契約に先立ち余裕をもって受けるようにしましょう(イメージ)

LECTURE3

お客様感覚は失敗のもと。
取引の当事者としての自覚を持とう

“重要事項説明”はその名の通り重要な内容ばかりで、その場ですべて理解できるとは到底思えません(苦笑)。本当は、先に書面の写しをもらい、時間をかけて目を通しておきたいですね。

瀬川先生「『宅建業法』では、売買契約の前に“重要事項説明”を行うよう定めているので、たとえば契約の1時間前に行っても違法ではありません。ただし、簡単に理解できる内容ではなく、素人の方にはわかりづらい法律用語も多く使われています。単に読み上げたものを聞くだけでは、形式的な手続きに終わってしまいかねません」
「ですから、本当は契約の1週間前くらいに時間をとって説明してもらい、不明な点は再度確認できるくらいの余裕がほしいのです」

できれば事前に写しをもらって、瀬川先生のような不動産に詳しい弁護士の先生にチェックしていただくのが理想だと思いますが…

瀬川先生「不動産に詳しい弁護士を探して依頼するのも大変だと思いますので、きちんと対応してくれる業者かどうか見極めることを、まずは第一に考えましょう」
「検討の時間を十分に取るため、売買契約に先立ち、早めに“重要事項説明”をしてほしい旨を不動産会社に伝えましょう」

それを渋るような会社だった場合は、問題ありと判断したほうがいいかもしれませんね。

瀬川先生「また、難しい言葉は噛み砕いて説明するなどの配慮があるかどうかで、その取引士の能力や誠意がわかりますね。もし、聞いてもわからないことがあったら、遠慮なく質問することです」

つい不動産会社任せのお客様感覚になってしまいますが、それでは自分の身は守れないということですね。今日伺ったような法律の概要を知っているだけでも、大きな強みになると感じました。

瀬川先生「そして、実際に取引を仲介してくれる不動産のプロに、自分の意思をきちんと伝えることです。自分にとって不利だと思われる条件でも、包み隠さず話をすることが肝心です。そうすることで、後から“こんなはずでは”というトラブルを避けることができます」

(作成日 2015年11月5日)