不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOPお役立ち情報「収益物件」で失敗しないための4つのポイント

専門家がレクチャー

弁護士が教える 遺言通りにならないケースも!遺産相続の際に相談が多い「遺留分」「寄与分」とは?

資産形成や節税対策等のメリットから、収益物件の購入を考える人が増えています。
しかし、不動産投資にはメリットだけでなくリスクがあるのも事実。
資産のつもりで購入した物件が、負債に転じてしまう可能性もないとは言えません。
今回は、収益物件で失敗しないためのポイントについて、法律と実務それぞれの専門家にお話を伺いました。

「収益物件」で失敗しないための4つのポイント

資産形成や節税対策等のメリットから、収益物件の購入を考える人が増えています。
しかし、不動産投資にはメリットだけでなくリスクがあるのも事実。
資産のつもりで購入した物件が、負債に転じてしまう可能性もないとは言えません。
今回は、収益物件で失敗しないためのポイントについて、法律と実務それぞれの専門家にお話を伺いました。

大谷 郁夫先生

銀座第一法律事務所

弁護士大谷 郁夫 先生

賃貸経営をめぐるトラブルで悩む大家さんからの相談多数。誠実な対応で依頼者から厚い信頼を得ている。著書に『ちょっと待った!!大家さん! その敷金そんなに返す必要はありません!!』(すばる舎)等。

収益物件購入で失敗しないために

信頼できる仲介会社を選ぼう

今回お話を伺ったのは、不動産分野に詳しく、賃貸経営の法律トラブルに悩む大家さん向けの著作もお持ちの弁護士・大谷郁夫先生。そして、三井住友トラスト不動産で収益物件の仲介業務に携わっている鈴木幸一氏です。

最近、収益物件の取引が活発になっていると言われていますが、日々の仕事を通じての実感はいかがでしょうか。

鈴木氏「景気が上向いていることもあり、取引は増えていますね。お陰様で、仕事が非常に忙しいです(笑)。2015年の相続税改正による大幅増税を控えて、節税対策としての収益物件購入もますます増えていくと思われます」

大谷先生「実は今日も、相続税対策で都心の物件を購入された方からのご相談を受けたばかりです。相続税対策が目的のケースは、やはりご高齢の方が多いですね。一方、投資目的で収益物件を購入されるケースは、40代くらいの若い方が中心です」

鈴木氏「投資目的の方は皆様、数字に関してシビアですね。利回りについて等、かなり厳しくチェックされます。でも、そのくらいシビアでないと、不動産投資で成功するのは難しいと言えます」

収益物件の購入を考える上で、重要な判断材料である『利回り』。利回りとは、投資したお金に対して何%の利益をもたらすかという指標。表面利回りは、年間の家賃収入÷物件購入価格×100で算出できます。
しかし、表面的な数字に惑わされるのは早計です。広告に記載されている利回りは、すべての部屋に入居者がいる(満室)状態での家賃収入を前提に計算しています。でも、実際の賃貸経営は常に満室とは限りません。また、修繕費用や管理費用、固定資産税などの運用コストがかかりますから、実質利回りはもっと低くなるので要注意です。

大谷先生「購入後のキャッシュフローを予測する上で、大切なのが『賃借条件一覧表(レントロール)』です。どの部屋を誰が借りていて、家賃はいくら、契約期間はいつまで等の条件が一覧になっているものです。また、レントロールはリスクの予測にも役立ちます。たとえば、入居年月が同じ部屋が多い場合、契約終了で同時期に退去してしまう可能性が読み取れます」

鈴木氏「悪質な業者の場合、売却前に意図的に知人を入居させて満室を装い、売却と同時に一斉に退去させるようなケースもあります。直近の入居者が不自然に多い場合は、注意する必要がありますね」

大谷先生「物件購入の際には、正確な情報を開示してもらうことが大切です。トラブルを避けるためにも、信頼できる不動産仲介会社を選びましょう。その点、コンプライアンスの厳しい銀行系の仲介会社は間違いないと言えますね」

残念ながら、仲介業者の中には、不利な条件を伏せてメリットだけを強調するような会社もあります。メリットもデメリットも正直に話してくれる、信頼に足る仲介会社を選ぶことが、成功への第一歩と言えそうです。

収益物件で失敗しないためのポイント その1

信頼できる仲介会社を選ぼう

購入後のスムーズな賃貸経営のためにも

不動産分野に詳しい弁護士を探そう

大谷先生「相続税対策で投資物件を購入される方の場合、金銭面では余裕があるためか、多少の損は大目に見てしまうようなケースもあります。先程のご相談の件も、売買契約書・重要事項説明書を拝見したところ、いくつか気になる点がありました」

大谷先生が相談を受けたケースでは、物件は契約上『瑕疵担保責任免責』となっていたそうです。これは、物件に瑕疵があった場合でも、売主はその責任を負わないということ。たとえば、後日建物に不具合が見つかっても、買主が修理の負担を負うことになってしまいます。

大谷先生「古い物件の場合は特に、免責となるケースが少なくありません。売主の立場からすると、当然の心理かもしれませんが…。やはり、ここでも売主からの条件を鵜呑みにせずに“現時点で修理を要求されている箇所はないか”等、現状を確認することが大事ですね。購入した後で、入居者から“何年も前から修理を頼んでいたのに、直してくれなかった”という話が出てくることもありますから」

鈴木氏「『瑕疵担保責任免責』の物件であれば、後々の修理費用等のリスクを材料に、値下げ交渉の余地はあります。免責の条件をのむ代わりに、価格面でメリットを得るというやり方もあるということですね」

大谷先生「購入の際には、売買契約書、重要事項説明書、賃貸借契約書、管理委託契約書などチェックすべき書類が数多くあります。これらすべてを、一般の方がくまなく確認するのは至難の業。やはり、法律の専門家に見てもらうことが不可欠です。
一番のおすすめは、この分野に詳しい弁護士と親しくなっておくことですね。契約時だけでなく、賃貸経営が始まってからも、入居者とのトラブル等に遭わないとは限りません。すぐに相談できる専門家と懇意になっておけば、心強いと思いますよ」

賃貸経営も立派なビジネスです。また、常に契約書ベースで動く事業でもあります。物件購入後も安心して経営を続けていくために、専門家というパートナーを得ておくことをおすすめします。その際、不動産分野に詳しい弁護士を選ぶことが大切。弁護士事務所のサイトや著作などをチェックして、実績が豊富な人に依頼しましょう。

収益物件で失敗しないためのポイント その2

弁護士をパートナーにつけよう

トラブルの種を事前に見つけるためにも、契約書は法律のプロにチェックしてもらいましょう

スムーズな賃貸経営のさらなるポイント

管理業務の委託と家賃滞納保障サービス

さて、スムーズな賃貸経営を行うにあたって、もう一つ大切なことは管理会社をパートナーにつけること。入居者の募集から契約、家賃の集金、滞納の督促など、入居者管理業務は多岐に渡ります。また、建物の修理や清掃なども日々の大切な業務です。これらを代行してくれるのが、賃貸管理会社です。

大谷先生「管理業務をすべて委託すれば、コストはかかりますが、大家さんの負担はぐんと軽くなります。もし、時間的にも体力的にも余裕があれば、修繕レベルのことは自分で行うなどの選択もあります。その分、手元に残るお金は増えますから」

鈴木氏「修理・修繕の記録や図面は、将来、転売することになった際に必要ですので、ご自身で行う場合も残しておくことをおすすめします」

大谷先生「管理会社に依頼する場合は、何をどこまでやってもらうのか、委託内容を明確にしておきましょう。家賃や契約更新に関わる業務だけでなく、共用部分の清掃や電灯の取り替えなど細々したことも対応してもらうのか等、最初にきちんと取り決めておくべきです。大家さんの立場を理解し、まめに対応してくれる管理会社を選びたいものです」

家賃の滞納が起きているのに、すぐ知らせてくれない等、いい加減な管理会社も残念ながら存在します。ストレスを少なく、できるだけスムーズな賃貸経営を行うために、管理会社の選択は重要になります。

賃貸経営で、頭の痛い問題が“家賃の滞納”です。月々の収入減に直結するダメージだけでなく、心理的にも負担が大きいものです。

大谷先生「家賃滞納対策として、保証サービスを利用することをおすすめします。滞納保証は、入居者に一定額の保証金を支払ってもらい、サービスを受けるしくみです。万一滞納が発生したら、その分の家賃を立て替えてくれるだけでなく、入居者への督促もしてくれます」

家賃の滞納は、賃貸経営の大きなリスクの一つ。保証サービスでリスクヘッジを図るのが賢い方法といえるでしょう。サービス内容によっては、滞納者の明け渡し請求の訴訟費用を補償してもらえるケースもあります。

収益物件で失敗しないためのポイント その3

管理会社は慎重に選ぼう

入居者募集、家賃の集金や督促、建物の清掃など、賃貸管理業務の内容は幅広い。信頼できる会社に任せたいもの

収益物件で失敗しないためのポイント その4

家賃滞納保証サービスを利用しよう

家賃の滞納は利回りのダウンに直結。家賃滞納保証サービスを利用して、いざというときに備えたい

(作成日 2014年5月21日)