神戸市から芦屋市、西宮市の北側に広がる「六甲山地」は、緑の豊かな山であり、山から流れ出る、豊かな湧水の存在は御影や魚崎などの酒造りの里を育んだ。また、良質な花崗岩の石材産地としても知られ、安土桃山時代には「大坂城」の築城の際にも使用された。
神戸市東灘区、芦屋市一帯は、北に「六甲山地」、南に「大阪湾」を控え、海と山の幸に富んだ温暖で豊かな場所。古くは農業や漁業に従事する人々が暮らし、平安時代には貴族・皇族の別荘地であったともいわれる。江戸時代からは全国に名高い清酒の産地となった。また、大阪、神戸の中心部に近いことから、阪神間の鉄道開業後は、実業家らが移り住む住宅地となり、住吉、御影、芦屋といった地域は日本を代表する高級住宅地として発展した。この地には、大正、昭和前期を中心に独自の文化が花開き、現在ではその時代の文化や建造物は『阪神間モダニズム』と呼ばれ、その価値は高く評価されている。