不動産売却・購入の三井住友トラスト不動産:TOP投資用不動産・事業用不動産賃貸経営の法律アドバイス(続)相続人に原状回復費用の請求ができるか?孤独死して遺体発見が遅れた場合の原状回復費用の負担者(2019年9月号)

賃貸経営の法律アドバイス

専門家のアドバイス
大谷郁夫

賃貸経営の法律アドバイス

賃貸経営の法律
アドバイス

弁護士
銀座第一法律事務所
大谷 郁夫

2019年9月号

賃貸経営をされている方にお役に立つ法律について、最新判例等を踏まえ弁護士が解説したアドバイスです。

(続)相続人に原状回復費用の請求ができるか?孤独死して遺体発見が遅れた場合の原状回復費用の負担者

(1)建物賃貸借においては、賃借人の故意または過失や通常の使用方法に反する使用など、賃借人の責めに帰すべき事由による住宅の損耗があれば、賃借人がその復旧費用(原状回復費用)を負担する。
(2)本件において、Dは病死したと推測されるから、同人が死亡したことそのものは、自殺とは異なり、賃借人の故意または過失や通常の使用方法に反する使用とは認められない。また、Dの死亡後は、同人に、故意または過失や通常の使用方法に反する使用は観念できない。
(3)被告Cは、Dの死亡について連絡があるまで、Dの死亡を知らず、被告CがDの相続人となったことも知らなかったのであるから、被告Cについても、Dの死亡から同人の死亡について連絡があるまでは、賃借人の故意または過失や通常の使用方法に反する使用などを認めることはできない。

※本コンテンツの内容は、記事掲載時点の情報に基づき作成されております。

大谷 郁夫Ikuo Otani弁護士

銀座第一法律事務所 http://www.ginza-1-lo.jp/

平成3年弁護士登録 東京弁護士会所属
趣味は読書と野球です。週末は、少年野球チームのコーチをしています。
仕事では、依頼者の言葉にきちんと耳を傾けること、依頼者にわかりやすく説明すること、弁護士費用を明確にすること、依頼者に適切に報告することを心がけています。