週末はホームパーティーや小旅行も?

一日の過ごし方

今回は、平日や週末の過ごし方、さらにはシニアの方々が毎日をどんなふうに楽しんでいるかをうかがってみました。皆さん、ご自身やご家族のライフスタイルに応じて、それぞれの国や地域ならではの魅力を堪能しているようです。

夕方以降は家族団らんや自由時間をゆったり楽しむ

「一日の過ごし方」はもちろん人それぞれですが、その国や地域に住むある人の一日を眺めれば、なんとなくお国柄なども見えてくるもの。「大人未来ラボ」に貴重なレポートを届けてくれる皆さんの「平日の過ごし方」を聞いてみましょう。

7時半に起床。9時半に出勤し、18時まで仕事。夜は、ジムまたはお稽古に行きます。友人と食事に行く日もありますが、それ以外は家で夕食をとり、夕食後はブログや記事を書いたり、テレビを見たり読書をしたりして過ごします。映画を観に出かけたり、カフェやバーに足を運んだりすることも多いですね。0〜1時ごろ就寝」(フランス)

フリーランスライターという職業柄、取材などで出かけることも多いのですが、一日中家で作業する日を例に挙げると、8時に起床し、洗顔、朝食をすませます。9時から仕事。12時に昼食をとります。13時からは買い物や散歩。15~18時まで、また仕事をします。19時に夕食。20時からは仕事をしたり、読書をしたり。0時ごろに就寝……といった感じでしょうか」(ドイツ)

6時に起床。8時まで、朝食をとったり、犬の散歩をしたりして過ごします。その後、10時まで家事。10〜19時半は仕事をします。夕方は、犬の散歩をして、夕食づくり。大体22時までに夕食を終えます。夕食後は家族団らん。0時ごろに就寝します」(イタリア)

朝5時に起き、朝食をとって、犬の散歩をします。出勤時刻はスウェーデンでは一般的な8時なので、7時半には職場に向かいます。昼ごろに30分の休憩をはさんで、16時もしくは14時(曜日によって異なる)まで仕事をして、帰宅。18時ごろに夕食をとり、21時ごろには寝ます」(スウェーデン)

起床後、ブランチ(朝食兼昼食。普通のオフィスワーカーよりも時間帯が遅いため)。着替え、メイク後、約40~50分かけてクルマでシドニーシティまで通勤。シティのオフィスで仕事。夕方早めの時間帯に外食で夕食をすませ、オフィスに戻って仕事を続けます。20時ごろにオフィスを出て、帰宅。途中、自宅近くの夜遅くまで開いているスーパー(平日は0時までオープン)に買い出しに寄ることもあります。帰宅後は、コーヒーを飲んでくつろいだり、仕事や読書をしたり。それから、入浴し、映画鑑賞などを楽しんだあと、就寝」(オーストラリア)

6時に起床。6時半から、朝食、お弁当の用意をします。7時からはジョギング。9~18時は仕事です。帰宅後は、夕食の用意をして、20時から夕食。21時以降は、家族との時間 を過ごします。0時ごろに就寝」(香港)

皆さん、仕事に就いていることもあり、平日の過ごし方についてはそれほど大きな違いはありません。それにしても、スウェーデンの一般的な出勤時刻が8時だというのは初耳でした!

国・地域を問わず「週末はホームパーティー」多し

休日の過ごし方についても聞いてみました。皆さん、日本とは違った環境や文化の中で、どのように過ごしているのでしょう?

パリは常にたくさんの公演や展覧会があるので、観劇や美術館へはよく行きます。また、 友人とランチをしたり、カフェやバーなどでワインを飲んだりすることも多いですね。フランスでは、「一杯、飲みに行かない?」と気軽に誘い合います。特にフランス人はひんぱんに自宅に人を招待するので、週末はたいてい友人たちと自宅でディナーをとります。また、マルシェに足を運ぶことも少なくありません。農業国のフランスは農作物が豊富。日曜日の朝は、オーガニックマルシェで新鮮な野菜や果物を入手したり、肉屋や魚屋で買い物したりします」(フランス)

日本でも一般的に使われるようになった「マルシェ」は、もともとフランス語。やはり、本場のマルシェは、魅力に満ちあふれているようですね。

友人と会って、一緒にお茶や食事などをします。誰かの家に集まってホームパーティーをすることも多いです。あとは、アート好きなので、美術館やギャラリーに出かけたり、イベントに参加したり。趣味と実益(取材)を兼ねて旅に出ることも。ドイツからは、国内外とも、旅がしやすいです」(ドイツ)

週末は郊外の大型スーパーマーケットに買い出しに行ったり、犬が走れる場所に連れていくために近郊へドライブに出かけたりします。友人宅や自宅でランチ会や夕食会などもよく開きます。連休やバカンス時には、犬と一緒に出かけられる場所を選んで、国内旅行をします」(イタリア)

まずは買い物です。1週間分の食材などをまとめて買うのが一般的で、量がかなりあるため、週末に主人と一緒に行きます。ほかには、森の中や湖の周りを40分から1時間ほどかけて散歩したり。料理にもかなり時間を費やしますね。外食費が高いこともあり、友人などを家に呼ぶ機会が多いんです。夫婦だけで過ごすときも、週末は手の込んだ料理をつくります」(スウェーデン)

森の中や湖の周りを散歩するというのは、北欧の国、スウェーデンのイメージにぴったり合う気がします。

自宅から徒歩圏内にジム、プール、スパ、サウナ、貸しコートのある施設があり、メンバーになっているので、そこでエクササイズします。あとは、スーパーやショッピングセンターで食料品や日用品の買い出しをしたり、カフェや自宅のテラスでコーヒーを飲みながらのんびりと読書をしたり。掃除、洗濯、洗車、庭やテラスの手入れなど、家事もこなします。天気がよさそうな週末には、クルマで少し遠出して、ビーチに1泊する小旅行に出かけることも」(オーストラリア)

マラソン、トレランなどのランニングレースによく参加します。それ以外では、ハイキングに出かけたり、友人家族と食事をしたりして過ごすことも多いですね」(香港)

週末にまとめて買い出しに行くのは、日本の共働きの夫婦にもよくあること。それにしても、多くの国や地域では、自宅や友人宅でのホームパーティーが盛んですね。日本でももちろん行われることはありますが、週末の代表的な過ごし方として挙げられるほどではないかもしれません。

ヨーロッパでも「ご近所づきあい」は活発?

ホームパーティーが盛んに行われているということは、国や地域での人の交流が日本以上に活発なのでしょうか? お住いの地域にかかわるものからその他のものまで、コミュニティ活動についても聞いてみました。

地域のコミュニティ活動は割と活発だと思います。うちの近所では、公園でフリーマーケットを開催することも。ドイツの人たちはチェーン店や大型店舗よりも昔からある近所の個人店や青空市場で買い物するのを好むので、自然と交流しやすい環境があります」(ドイツ)

会費を納めるような日本の町内会的なものはありませんが、自然発生的なコミュニティはあり、ご近所付き合いは濃厚です」(イタリア)

日本と大きく異なり、あまりありません。隣の人と話はしますが、地区会などもなく、サッパリとしています」(スウェーデン)

同じヨーロッパでも、コミュニティが活発なほかの国と違って、スウェーデンでの人付き合いはサッパリ系のよう。

『La fête des voisins(隣人祭り)』という、同じアパルトマンの住民が食べ物や飲み物を持参して集まり、交流を深めるイベントがあります。都市部における住民の孤立化を解消し、コミュニティの絆の強化を目的として1999年にパリで始まった活動(地域行事)で、例年5月の最終金曜日にフランス全土で開催されます。パリのアパルトマンは古く、水漏れなどのトラブルがつきものなので、隣人と知り合っておくことはメリットが大きいです」(フランス)

地域の消費者がメンバーをつくり、近郊農家から直接定期購入するCSA(community-supported-agriculture)というシステムがあります。旬の食材を手に入れやすく、毎週のピックアップはメンバーがボランティアで行うため、地域の人たちとの交流を深めることもできます」(アメリカ)

私には0歳の赤ちゃんがいて、地域の人と参加する赤ちゃんの集まりが選びきれないほどあるので、ママ友もたくさんできます」(ニュージーランド)

シニアの皆さんは散歩好き!ドイツではお祭りレベル

シニアの方々がどんな過ごし方をしているのかも聞いてみました。子どもたちや年配の人々が幸せそうに見えるところでは、やはり安心して暮らせる気がするものです。

フランスでは週末のランチに家族が集まる習慣があり、子どもや孫たちが家に来て食事したり、レストランへ一緒に行ったりする方が多いようです。パリの富裕層は田舎にセカンドハウスを持っていて、週末はパリから離れる方もいます。リュクサンブール公園や森で、家族と散歩を楽しむシニア層もよく見られます」(フランス)

なんといっても、日曜は散歩です。日曜の午後になるとライン川沿いの遊歩道に人がわらわらと集まってきます。こちらに来たばかりの頃は、あまりの賑わいに『何のお祭りだろう?』と思いましたが、ただただみんな歩いているだけと知ってびっくりしました。家族や友だちと「散歩」そのものを楽しんでいるのです。ちょっと遠出して、森の中をハイキングするのも人気です。また、老若男女問わずですが、特にシニア層にとっては日曜の散歩と午後のお茶とケーキはセットでお約束となっています。コンディトライ・カフェ(ケーキ屋さん併設のカフェ)は大混雑で、夏場はアイス・カフェでてんこもりのパフェを食べる姿もよく見られます。文化に興味のある方も大勢いて、美術鑑賞やオペラ、コンサートに出かけたりも。それにとても旅行好きで、長期旅行を楽しむ方も多いです。世界中どこへでも出かけていきます。 日本と比べて、ドイツのシニアの方々は元気でアクティブだなあと感心します。いくつになっても、人生を楽しんでいる印象です」(ドイツ)

シニア層(年金層)には平日も休日もなさそうですが、男性は近所の広場などに集まっている姿をよく見かけます。日がな一日(朝〜ランチまで、16時頃〜夕食前までと意外と規則的)集まっては、おしゃべりしたりカードゲームをしたりして楽しんでいます。こうした風景はシチリアの風物詩のようになっています。一方、女性は家にいることが多いようです。現在のシニア層は伝統的な文化がまだ根付いている世代なので、女性が出歩くのをあまりよしとしません。女性は、家で親戚・友人を招いておしゃべりに興じ、家事をしたり、手間のかかる料理をつくったりしています」(イタリア)

日中、太陽に当たるのが目的だと思いますが、森の中などを散歩している方が多いです」(スウェーデン)

私が通うプールやスパ、サウナでも、シニア層の方をよく見かけます。独立した子ども世帯が親世代(シニア層)の家に遊びに来て、一緒に食事を楽しむことも多いようです。夏にはビーチに出向き、水着で海に入るアクティブな方もたくさんいます」(オーストラリア)

ハイキングをする人が多いですね」(香港)

なるほど、それぞれの国や地域で過ごすシニア層の方々の様子が目に浮かんできますね。

今住んでいる国や地域には満足。でも将来は……?

最後に、それぞれの国や地域にお住いの皆さんに、これからもその国・地域にずっと住み続けたいかどうかをうかがいました。

住み続けたいと思っています。フランスでは個人の自由が尊重されており、こうしなければならないという価値観を押し付けられることがないため、私にとって精神的にリラックスして生きていけます。また、パリは、芸術を手軽に楽しめる街です。観劇が好きなので、その点も大きな魅力です」(フランス)

私自身はそれほど国や場所にこだわりはなく、誰といるか、何をするかが大切なので、ここにずっと住み続けるかどうかはわかりません。ただ、ドイツは、便利でありながらのんびりとしていて環境もよく、人間らしい穏やかな暮らしができるところだと思います」(ドイツ)

老後は、日本に帰りたいと考えています。医療に関しては、やはり日本語でやりとりがしたいです。今後、歳をとるとイタリア語を話すのが億劫に感じるのではないか、と想像もします。お墓の問題も出てくるでしょう。火葬する文化がないので、火葬と海外移送の手続きがおそろしく煩雑らしく、自力でやるしかない…といった話を在住者の間で聞いたりすると、ちょっと不安です。家族への負担を考慮すると、元気なうちに日本に帰っておいたほうが…と思わなくもないですが、国際結婚なので、実現するかどうかはわかりません」(イタリア)

地域まで同じかどうかは別にして、スウェーデンという国には住み続けると思います。スウェーデン国内なら言葉の問題もなく、国そのものも平和で安定しているので」(スウェーデン)

どちらとも言えません。日本と比較して、シドニーのほうが気候はよく、家も広くてゆとりがあり、住みやすいです。ただ、将来的には、家族と自身の健康、ビジネスの状況によって、住む国や地域が変わるかもしれません」(オーストラリア)

今後も、香港に住み続けたいですね。さまざまな国の人が滞在しており、刺激的で、居心地がよいです。ヨーロッパやアメリカには12時間前後、中近東、オセアニアには8時間前後、東南アジアには3時間弱で行ける点も、便利だと感じています」(香港)

このまま現在お住いの国や地域に住み続けたいという人もいれば、老後はできれば日本に帰りたいという人もいるようです。いずれにしても、海外で暮らしている皆さんの実感のこもった貴重な意見。海外旅行や海外移住などを考える際には、ぜひ参考にしてみてください。

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